久田和弘、『不滅のあなたへ』について語る(終)
こちら、第1話が↓で読めます(無料!!)
https://pocket.shonenmagazine.com/episode/13932016480029113164
でも、個人的にとにもかくにも読んで欲しいのは2話以降ですねぇ。
もちろん、1話も本当に素晴らしいのですが、この話しのみ他と比べるとどこか「孤立している」といいますか、1話完結の短編として捉えた方が読みやすいような気がするのです。
(恐らく、1話で受けた衝撃が”え、これって連載なの?!”と思わせるくらいスゴかったから、というのも理由のひとつかと…)
そう考えてみると、やはり『不滅のあなたへ』のなかで「マーチとフシの出会い」は非常に重要であり大きな分岐点に当たるのかなと思います。
この先、多くの人物との出会いと別れをくり返し、その度喜びと悲しみを経験するフシにとって、最初の出会いがマーチだったことは幸運なのでは。そう言えるのは、彼女が「愛されて育った」からです。両親とバロナに可愛がられ、ワガママを聞いてもらえる…そんな当たり前の日常が唐突に壊されても彼女が決して「諦めなかった」のは、自分自身が愛されていることを理解していたからでしょう。
だから、自分が与えられた愛情をフシにも分けられたのではないでしょうか?
『不滅のあなたへ』は、死者の記憶―――愛された・愛されなかった・愛した、愛さなかった―――を、生きた証として生者が受け継いでいく、そんな物語です。
