久田和弘、『ギヴン』について語る3


こんにちは(^^)前回、立夏が真冬と出会ったところまでお話ししたんでしたよね!
階段の踊り場で古びたギターを抱えているくせに、弦の直し方はもちろん音楽の「お」の字も知らない真冬。そんな不可思議な人間をなぜか突き放せない立夏は、何かと世話を焼こうとする自分に違和感を覚えます。

(正直、真冬が”バンド”というものすら知らないというのは、演出としてやり過ぎなんでないの…と思いましたが、今後の展開と”真冬の不思議ちゃんぶり”を考えれば納得いくかも?)

「これ、なおるの?!」
初対面の真冬につめ寄られた立夏は、勢いに根負けして自らギターの弦を修理してしまう。結果、真冬から懐かれることに。
日当たりのいい踊り場でいっしょに過ごしながら、ギターや音楽に対し目を輝かせて耳を傾ける真冬に、立夏はいつしか「あの頃の自分」を重ねるようになっていました。

「俺も、昔はあんな目をしていたのだろうか」(『ギヴン』2話より抜粋)

そんななか、少しずつ立夏に対し心を許していく真冬は、ある日自分にとって大切な「忘れられない音」があるから聴かせたいと言い、メロディを歌いだします。
真冬の歌声に衝撃を受けた立夏。そこから、立夏と真冬、そして立夏を含むバンドメンバーすべての「物語」が急激に動き出していくのです。
まるで、ひとりの少年の、声にならない叫びが、登場人物たちの衝動を呼び起こしていくように。