久田和弘、『だんだら』について語る3

では、前回の宣言通り、今回は『だんだら』の概要をお伝えしていきます!
まずは原作者の「きら」についてですが、高校3年生の時に発表した『まっすぐにいこう。』でデビュー後、女性誌を中心に活動、近年は『僕らはみんな死んでいる♪』がドラマ化されました。

…と、きらに関する情報をウィキペディアで確認してみたのですが、作品リストに『だんだら』が記載されていないことから、ファンの間でもかなりマイナーな作品である可能性が高いと思われます。
自分も新選組ファンのサイトから情報を得ましたし…。

次にストーリーをザッと説明していきます。
主人公は言わずもがな沖田総司…ではなく、現代がらタイムスリップした俳優。時代劇に「沖田総司役」での出演が決定した彼は、現場でうたた寝していたところ、気づけば幕末の最中にいた、というなんとも不思議な展開から物語はスタートします。

「俺はまだ”夢”をみているんだ」
そう解釈し、沖田総司になり切ることで自身の夢をたのしみ切ることに決めた矢先、近藤勇から「芹沢鴨暗殺」を打診されます。
もちろん、彼にとって断る理由はどこにもありません。だってこれは夢なのだから、良いところで「目が覚める」筈。

ところが、芹沢の刀に押された土方歳三を助けに入った際、相手を切った刀を通して感じた感触、浴びた血のぬるさは、すべて「本物」だったのです。
彼はそこではじめて、自分がとっくに「夢から覚めている」事実を突きつけられます。