久田和弘、『ゴールデンカムイ』について語る4
前回、記事の最後に、杉元とアシリパの関係性を「矛盾している」と述べました。久田和弘的には、『ゴールデンカムイ』において最も重要であり、物語を進めるキーとなるのは、このふたりの繋がりではないかと!
…さて、矛盾を孕んだふたりの旅はどう進んでいくのか?
旅の道中、杉元を支えるのは、アシリパの持つ「アイヌの知恵」。しかも、アシリパは古いアイヌの女性に似ず野山を駆け回って育ったため、狩猟に長けています。冬眠中で気が荒いヒグマを倒す術だけではなく、今や我々にとって身近な動物である鹿やウサギ、更にリスの捕まえ方と調理法まで心得ている…!
そう、このマンガは、謎追いという側面だけではなく、料理上手なアシリパのご飯を堪能する「グルメマンガ」でもあるのです!!
ちなみに、1巻からすでにゴールデンカムイのグルメマンガ的魅力は炸裂しています(^^)特に個人的に好きなのは「オハウ(肉のつみれ汁)」ですね~、こちら、字面だけ見ると非常に美味しそうですが、メインはリスさんですよ…。
アシリパによれば、アイヌは肉が新鮮な場合生で食べることが多いそうですが、「お上品なシサム(倭人)の杉元」に合わせてつみれ汁をつくってくれたのだとか。
「リスのオハウ」の味の感想は是非コミックスで確認してください!杉元の食レポも必見です。
バイオレンスな描写が多いこの作品のなかで時折出てくる料理描写がちょうど良い塩梅になっており、その影響でどんどん物語に引き込まれていきます。
