こんにちは、久田和弘です。今回も前回に引き続き『海街diary』の魅力について考えていきたいと思います。

前回はこの物語にメインで登場する三姉妹、幸・圭乃・千佳の3人と映画版キャストをご紹介しましたが、じつは『海街diary』の「本当の主役」は彼女たちではないようです。物語は、三姉妹と腹違いの妹、広瀬すず演じる「浅野すず」の日常を中心に進んでいきます。(今、キャラクターの名前を確認するためWikiを見たのですが、演じたキャストと名前が同じということに初めて気付きました!偶然なのか、あるいは狙ったのか・・・いずれにしろおもしろいなぁ)

・・・「腹違い」ということで、お気付きの方も多いと思いますが、香田家の三姉妹やすずは、なかなか複雑な過去を抱えています。三姉妹の父親とすずの母親は元々不倫関係にありましたが、その後母が病死、職場を変える父とともにすずは新しい母親との暮らしを再スタートさせたものの、その矢先父までもが病死してしまいます。

ほとんど顔すら覚えていない、遠い昔に幼い自分たちを捨てた父親の葬式に渋々出席した幸・圭乃・千佳でしたが、そこではじめてすずと出会います。3人のすずに対する初対面の印象はきっと「しっかりした子」だったことでしょう。しかし、それは甘やかされて育った、3姉妹いわく「私たちのお母さんにそっくり」なすずの義理の母が頼りなく寄りかかれないからこそ、じっと堪えていただけなのでした。

すずと会話をし、それまで抱えてきた様々な誤解が解消されたことで、幸はある提案を持ちかけます。

(久田和弘)