こんにちは、久田和弘です。今回も前回に引きつづき『BANANA FISH』の魅力について考えていきます!
アッシュの孤独な戦いがはじまったのは、ベトナム戦争での「ある出来事」がキッカケでした。当時この戦争に参加していたアッシュの兄、グリフィンは、突如銃を乱射し仲間を射殺、その後施設へと強制送還させられる。兄とたったふたりで暮らしていたアッシュは、その兄が戦争から戻った途端廃人となったことに怒りと悲しみを募らせる。当時アッシュの美しさに目を付けていたマフィアのボスは、兄が心の支えだったまだ幼い少年に、生活の保証と引き換えに高級男娼として働くことを決意させる。
・・・と、ここまでがアッシュ・リンクスのプロフィールです!正直、「男娼」と書くかはちょっと迷いましたが(笑)、彼の二面性を明確にするうえで欠かせないワードだと判断し載せることにしました。
その後「リンクス=山猫」として恐れられ、ニューヨークのストリートチルドレンを束ねるボスにまでのぼりつめたアッシュが唯一心を許した人物が「英二」です。
奥村英二は、たまたまニューヨークのストリートチルドレンの取材にやってきたカメラマン、伊部の助手として後ろにくっついていた、何処にでもいるひとりの青年だった。ところが、アッシュを取材しようと行きつけのバーを訪れたところ、敵対する組織の襲撃に遭い、そしてひょんなことから英二はピンチに陥ったアッシュを救い出す。
何の見返りもなく、初めて自分に手を貸してくれた年の近い青年との出会いに、アッシュの心は大きく動き―――・・・。
(久田和弘)
