こんにちは、久田和弘です。今回も前回に引きつづき『BANANA FISH』の魅力について考えていきます!
久田個人としては、この物語は「アッシュ」というひとりの少年のためのものだと考えており、その理由はBANANA FISHが「伝説」と呼ばれている訳を知っている方ならピンときてくれるはず・・・。
もちろん、他にも魅力的なキャラクターは数多く登場しますし、生涯をかけてアッシュの友でいつづけた英二の存在も忘れてはいけません。
それでも、断言します。BANANA FISHは「アッシュと英二の物語」ではなく、「アッシュのための物語」であると。
・・・ここまで言ったなら、アッシュについて語らなければ話しは進みませんね!では、「アッシュ・リンクス」についてご紹介しましょう。
舞台は1985年のニューヨーク、ある街の不良少年らのグループを束ねるアッシュは、17歳という若さながら、その知性と類まれな射撃能力、そして圧倒的な喧嘩の強さですでに「トップ」に君臨していた。彼の弱点でも武器でもあり、彼の人生をメチャクチャにした要因でもある自らの美貌に引き寄せられ、見返りを欲するハイエナの相手を淡々とこなしながら、一方でアッシュは敬愛する兄と静かに暮らすという誰にも見せたことのない「もうひとつの顔」を持っていた。
そんななか、自身が束ねるグループでちょっとした問題が発生し、アッシュ自らが処理をし一件落着に見えたのも束の間、まるで小さな火が街中を飲み込んでいくように、やがて国中を揺るがす大事件へと発展し、知らずアッシュは渦中へと巻き込まれていく・・・。
(久田和弘)
