こんにちは、久田和弘です。今回も前回に引きつづき、『となりの怪物くん』の魅力について考えていきます。
「となかい」が人気を博した背景には、少女漫画の鉄板である甘酸っぱい初恋模様やライバルとの手に汗握る展開に更に「+α」があったというのが大きな理由でしょう。特にこの作品の場合、「斜め上」の設定と登場人物たちの恋模様が合わさって「丁度良い」コメディ要素を演出している点が見どころだと思います。
そう、「となかい」で欠かせないのは登場人物たちのバックグラウンド。と、いうことで、まずはこの作品のヒーローとヒロインをご紹介します。
吉田春
高校入学早々問題を起こし1日目で停学になった「超問題児」。そのためクラスメイトには怖いという印象が強く根付いてしまい、また本人の常識ハズレで多少喧嘩っ早い性格のせいで、周囲からどんどん人が遠ざかってしまいます。
しかし、根は素直で人懐っこく、「友達が欲しい」という本音も臆さずどんどん言えてしまう伸び伸びとした性格。一見癖っ毛や唯一の友だちのニワトリ(名古屋 性別不明)を校内で可愛がるなどマイペース過ぎる言動が目立ちすぎるため周囲から不思議ちゃん扱いされがちだが、じつは超がつくエリートで、秀才。天才肌で、ヒロインが努力に努力を重ねて勝ち取った成績もなんなく飛び越えてしまうのです。
この「なんとなくできてしまう」という特異な性質が、周囲の感情に波風を立てる要因となってしまいます。周囲から強く期待され、期待に応えられないと存在を否定されるということを何度もくり返してきた彼は、とにかく人間関係を形成することが苦手でした。
(久田和弘)
