こんにちは、久田和弘です!では、今回も前回に引きつづき、『under the rose』の魅力をまとめていきます。
・・・では、「久田和弘的”あんだろ”登場人物紹介」のつづきを進めていきましょう。
次に、アルバートの弟でアーサーの嫡子にして次男のウィリアム(17歳)。見た目や立ち居振る舞いは「父親に生き写し」と言われ、大人顔負けの明晰な頭脳を持つことから、幼い頃より周囲から大きな期待を持って育てられたウィリアムは、特に声質が父親にそっくりなのだとか。
弟たちには嫡子・庶子含め分け隔てなく、時には厳しく接し、また侍女や執事たちにも紳士的な態度を崩さない彼は、しかし長男と同じく「語られない部分」があまりにも多い人物。
・・・が、物語が『春の賛歌』に突入すると、少しずつ寡黙だった彼の心情が吐露されていきます。特に、ウィリアムの「女性」に対する思い―――母・侍女・そして美しい女家庭教師との禁断の恋を通して、父親への視線とアルバートが抱えるものの正体がじょじょに明らかにされていきます。
次に、アーサーの嫡子であり三男、グレゴリーについて。
勉強熱心で自身の兄と父を心から慕う、まさに「貴族出身の男子」を作中最も体現する存在。
ですが、生真面目過ぎるのが災いし、庶子であるライナスとは衝突しがち。また、ライナスの桁外れの優秀さに劣る自身の能力と彼の横柄な態度から、ライナスを「弟」として受け入れることができないという葛藤を内に抱えています。
とにもかくにも、上記したように、ある意味「ロウランドの兄弟の中では最もバランスが取れている子ども」と言えるでしょう。事実、彼自身も「立派な人間であろう」とつねに努力していますが、その真面目さがかえって裏目に出ないか、こちらをハラハラさせる部分も少々あるのです・・・。
(久田和弘)
