こんにちは、久田和弘です。
唐突ですが、最近、『日の名残り』(カズオ・イシグロ著)という作品を読み終えました。こちらは第二次世界大戦後のイギリスを舞台にしていまして、ある名家に長年勤める執事が、新しい主人から旅行に出る許しを得て、古き良きイギリスの街並みを見て周りながら過去を回想する物語です。
ここに登場する「古き良き」という概念は、イギリスの景色はもちろんのこと、人間性や「ジェントルマン」としてのあり方、そして貴族社会そのものの終焉にも当てはまるのですが、そこでふと、『under the rose』という漫画が頭に浮かびました。

『under the rose』、略してあんだろは、船戸明里という方が10年程前に発表した『honey rose』を下敷きに描かれています。『honey rose』では、親を亡くした孤独な少女が、じつは「ローランド」という貴族の生まれであり、また何人もの腹違いの兄がいたという衝撃の事実が発覚するところからはじまるものの、『小公女セーラ』ばりのシンデレラストーリーとは大きく異なり、そこには誰もが口にすることを拒む「秘密」が眠っているのです。

ちなみに『under the rose』とは「秘密」を意味しています。「薔薇の下に眠る秘密」とは、なんともロマンチックですが、果たして人間が抱える秘めごとというのは、そこまで素敵なものなのでしょうか?

あんだろは『honey rose』の10年前―――過去に遡り、語られなかった腹違いの兄たちの秘密が少しずつ掘り起こされていく物語ですが、具体的な魅力は次回にしまして、お相手は久田和弘でした!