こんにちは、久田和弘です!
今回は前回の宣言どおり、志村貴子著『こいいじ』の魅力について考えてみたいと思います。
主人公は、大原忠実(マメ)、31歳。
物語は、いきなり葬式の場面から始まります。両親が下町の銭湯を営むマメは、小さい頃から周囲の大人に「マメちゃん」と呼ばれ可愛がられているようで、それは30歳を過ぎても変わらない模様。その日も、親戚のおじちゃん・おばちゃんに混じり、葬式の手伝いに励みつつ、その目線の先にはひとりの男性の姿が。
マメが見つめる相手、赤井聡太は、マメよりも5歳年上で、小学生になる娘がひとり。奥さんとは1年前に死別。そんな聡ちゃんは、マメを赤ん坊の頃から知っていて、ついでにマメの初恋の人でもある。
ちなみに「初恋=過去の思い出」という連想をするのが一般的だが、マメの場合は、「年齢=聡ちゃんを好きでいつづけた年数」であり、そして今だに初恋の真っ只中にいるのだ。
そこいらの成人男性よりも背が高く、昔から発育が良かったマメは、精神までもどこか逞しいようで、10代から何度も聡ちゃんにアタックしては、そのたびにフラレている。彼女にとって不幸なのは、彼の振り方が毎回「ありがとう」のみということだ。優しく曖昧な言葉でお茶を濁され、後日「じつは彼女がいた」という真実を知るマメは、毎回大混乱に陥るというパターンをくり返している。
―――そして11年前、マメの成人式の日が、運命の分かれ道だったのかもしれない。珍しく聡ちゃんから呼び出されたマメは、「彼女と別れた」という噂を耳にしていたため、期待に胸を膨らませ、成人式用に着飾ったまま会いに行くと、告げられたのは聡太に子どもができたこと、そして、結婚することだった。
以上、お相手は久田和弘でした!