こんにちは、久田和弘です。今日も『娘の家出』の魅力について語ります。

志村貴子の紡ぐこの物語は、「娘」と言うからには文字通り「少女たち」が主人公なのだが、中心となるのは4人の女子グループで、そのなかに属する「まゆこ」が初回から相当インパクトのある物語をぶちかましてくれているので、まずは第1話をご紹介したい。(と、いうか、初回を説明しなければ始められないと思う)

1話目は、高校1年生のまゆこの「家出」からはじまる。
家出先に選んだのは、ネットカフェでも彼氏のアパートでもなく、坊主頭でぽっちゃりの、明らかに良い人そうな男性のいる一室。まゆこはぽっちゃりな男性といっしょに食事をし、並んで料理をしながら、「家出」と言うには似つかわしくない、穏やかな日常を過ごしていく。

ただ、まゆこの心中はこれっぽっちも穏やかではない。
何故かって、目の前のぽっちゃりは、父の彼氏なのだから。

まゆこが幼い頃、同性愛者であることをカミングアウトした父と母は離婚、しかし現在は両者の関係性は良いらしく、まゆこも自由に父と会うことができる・・・のだが、じつは、問題がひとつ。
まゆこの初恋は、父の彼氏なのだ。
元々、近所の花屋で働いていたぽっちゃり彼氏さん、まゆこが生まれて初めて淡い想いを抱いた男性からの告白は、しかしあまりにも残酷だった。
「お父さんとおつき合いさせてもらっています」

まゆこの父のように、「男親からの性的指向の告白」は、現実にも実際にあることなのだとか。もちろん、まゆこの家も、普通ならぶつからないであろう複雑な問題を解決するために相当揉めたことでしょう。
けれど、まゆこの頭を悩ませたのは、父の突然の告白以上に、全員のことが大好きで、全員の幸せを心から祈っているからこそ、「誰のことも責められない」ことだったのだ。

(お相手は久田和弘でした!)