こんにちは、久田和弘です。今日も『白暮のクロニクル』の魅力について語ります。

この物語は、主人公である「雪村魁」が、病室で誰かと会話をしているところから始まります。魁の話し相手は寿命が尽きかけているらしく、穏やかな調子で「若い人たちの助けになって」と魁に遺言めいた言葉をかけます。魁の表情や「君」という呼び方から、きっとふたりはかなり親しい間柄なのでしょう。
ここで場面はひとりの女性が大慌てで道を走っているところへ切り替わります。彼女は伏木あかり、26歳、医学部出身の厚生労働省入省したての新人で、只今研修真っ只中。「ある焼肉店で生肉を食したことによる集団食中毒が発生した」との問題を解決すべく先輩たちと現場に向かったあかりだが、衛生環境を検証しようとした矢先、期せずして死体の第一発見者となってしまう。
どうやらこの死体の主は、焼肉店のオーナーであると同時に「オキナガ」でもあるそうで、通常の殺人事件とはまったく別物扱いのようだが、子供も食中毒の犠牲にになっていることもあり、とにかくまずは衛生環境の検証をさせてくれと、さっそく現場をあらす刑事たちに恐れずまっすぐに意見するあかり。
―――しかし、そんな彼女の様子を眺めていた「ある人物」によって、あかりは事件の「本質」へと足を踏み入れていく。その後、この事件がほんの「序章」であるという事実、不可解な物語をめぐる人間とは異質な存在「オキナガ」と、雪村魁の「クロニクル」の一部に深く関わることになる。

(お相手は久田和弘でした!)