こんにちは、久田和弘です。先日は羽海野チカが描く登場人物の特徴は「過去に傷ついた体験をしたキャラクター」であると述べましたが、今回はもうすこし具体的に探っていきたいと思います。

 

 

たとえば、竹本祐太の場合。

彼は幼いころ父を病気で亡くしており、看護師をしている母から女手一つで育てられたため、よく小児病棟で過ごすことが多かったそうです。原作にはクリスマスも病院で母親が働く姿をながめていたことが後のクリスマスに苦手意識を持ってしまう要因として描かれており、そんな彼に対して不器用ながら一生懸命気をつかうはぐの姿が微笑ましいエピソードでした。

このはぐと竹本くんとの関係性は、ふと、『3月のライオン』の零とひなたとのやりとりを想起させました。零は「人との密な触れ合い」を成長期に体験しておらず、それでも事故死した家族に愛された大切な時間が記憶として残っているからこそ、自身の境遇を嘆くことなく、周囲と紳士に向き合う姿が魅力のキャラクターであり、そこに関わるのが、母を亡くし、父は家族を捨て出ていったまま帰ってこない家庭で、母親代わりの姉の愛情につつまれて暮らしている次女のひなた。ひなたの可愛らしい容姿や年齢はちょうど少女漫画の主人公にピッタリなのですが、美少年たちとの三角関係に悩むヒロインとはだいぶ異なり、彼女は本当に芯が強い。強く、そしてまっすぐで、明るい。

 

 

そういえば、羽海野作品には、芯のつよい女性キャラクターが多く登場しますよね。そのあたりも次回ほりさげていきますので、今日はこのあたりで失礼しまして、お相手は久田和弘でした。