★★★★☆
あらすじ
ある日突然、人間の世界に降って湧いた人食いの謎の寄生生物に惑わされる人間の話。
みどころ
韓国版寄生獣の調理法と、雰囲気がとてもいい主演のチョン・ソニ。
岩明均の漫画「寄生獣」は間違いなく名作で、アイディア、ストーリーライン、キャラ造形が隅々まで行き届いています。
まだ未読の方は、ぜひとも読むべきマンガの一作だと思います。
寄生獣って、筋肉でできた全身脳みたいな生物という設定で、人は頭からぼりぼり食うわ、戦闘力高くてちょっとした銃弾ぐらいなら弾き飛ばすほど丈夫なんですよね。
でも、繁殖力がなくて、乗っ取った人のボディがダメージ食らって死んじゃうと、わりとすぐ共倒れしちゃうんです。つまり、変に脆弱。
で、漫画版は、主人公だけは脳の乗っ取りに失敗して右手に寄生しちゃうんです。
だもんで、主人公と共生関係にあるんですね。
その他にもいろいろと面白い特性があって、彼ら自身が物語の中でどんどん成長してゆくっていうお話でもあるんですよ。
これはね、クリエイターの創作意欲高ぶらせちゃうと思うんです。
この岩明均の秀逸なアイディアを元に、寄生獣が誰に取りつき、どう成長させるかでどんな枝葉も伸ばせて行けちゃうわけですよ。
漫画版オリジナルは、私たちはどう生き、どこへ向かうのかという、人類の普遍的なテーマを寄生獣を通して深く深く掘り下げています。
その他にも心を打つエピソードがたくさん散りばめられていました。
これを越えていくのは並大抵ではありません。
この掘り下げ方が甘ければ、決して原作を越えることはないんです。
あとは、好みの問題ということになりますかねえ。
私はやっぱり原作版だなと思いましたが、
韓国版制作陣の、原作に対する深いリスペクトを感じました。
ふと思ったんですけど、これ、ハリウッド辺りが作っていたら、
もっとスケールの大きいパニックモノにしてたんじゃないかって思うんですよ。
内容から言って、実は漫画版はスケールが少し小さすぎないかっていう部分あるんですけど、
ぎゅっとコンパクトにまとめて、一人の若者の苦悩と葛藤に焦点を当て続けたのがとてもとてもよかったんです。
韓国版も、最初の方で、あああ、こりゃスケール広げちゃうかなぁと思ったんですが、ギリギリ堪えてくれましたw
最後まで一気見です。
チョン・ソニちゃんよかったです。
ラストも物足りないということもなかったです。
でも、続編作られれば、ミギー見れますかねえ。