★★★★☆
あらすじ
報道記者を目指す女の子が、世界のファッション業界をけん引する伝説の編集長のところでアシスタントをしながら成り上がってゆく話。
みどころ
とても対照的な女性の生き方を、ファッション業界を通じて描き出しているところ。
数々のハイブランド。
二度目の視聴です。
最初に見たときは、アン・ハサウェイがかわいくて、メリル・ストリープは相変わらず見事で、ファッションがおしゃれで華やかで、冴えない女の子がきれいになってゆく様子や、成り上がっていく様子が楽しいなと思って見てました。
でもある日、岡田斗司夫がYouTubeでこの映画の冒頭二分を30分ぐらいかけて解説しているの見て、おもしれーって思っちゃったんですね。
オープニングだけで30分ですよw
いかれたおじさんですねw
テーマは、女性の階級をテーマにして解説してました。
見た目やライフスタイルで、人は自分の階級を自在に変えることができ、かつ、それを維持するためには努力が必要であるっていうんですね。
なるほどなと思いました。
そしてですね、メリル・ストリープ演じる編集者ミランダが、実はVOGUEの伝説的編集長、アナ・ウィンターという実在の人をモデルにしているらしいんですね。
御年74歳のおばあちゃんですが、いまだに現役で世界のファッション業界に多大なる影響与えていまして、最近アマプラで見た「メットガラ」のドキュメンタリー面白かったです。
で、何が言いたいかっていうと、
この辺りの知識仕入れてから映画見ると、また違った見え方するなぁという話です。
何も知らずに見ていた最初の視聴の時は、
まあ、人として大事なもの失うより愛に生きるのね、はいはいって感じだったんですけど、
ミランダが実在の人物だと知るとですね、
何もかも捨ててもその世界を極める生き方はありだよなと思うんですよ。
実際のアナがどういう人なのかはわからないんですけど、
色々なメディアで描かれる彼女は、大体嫌な女ですw
もうTHE・女帝って感じで。
誰も彼女に逆らえません。
彼女の気まぐれで世界が変わっちゃうんですよ。
でもさ、そういう生き方って喜びも大きいとは思いますが、圧倒的に孤独だと思うんです。
捨てようと思っても、今更投げ捨てるわけにはいかないこともたくさんるでしょうしね。
しんどいですよ。こういう人生は。
その坂を上ろうとしていた主人公は、最後に彼女と決別します。
この辺りは、いかにもハリウッドらしい、地位や名声より愛なのよ的な締め方していて、ちゃんちゃんのいいお話になってますけど、
制作者が狙ってるのはそこじゃないんじゃないかなと思いました。
立場はミランダの方が圧倒的に上なので、アンディが去っていこうとミランダが痛手を被ることはないんですが、
ああ、また孤独になっちゃったなこの人と思ってしまいました。
ラストの車の中でのメリル・ストリープの芝居、めちゃくちゃ良かったです。
運転手に傲慢な態度で早く出しなさいよって表情するんですよw
こうじゃなくちゃダメなんです。彼女は。
彼女はこの階級で生きていくことを選んだわけですから。
キャリアってどこまで追うのが正しいんでしょうね。
才能と体力があれば、どこまでも追っていけるものだとも思うんですね。
才能と体力があって、的確なサポートや運があって、気づくと世界の頂点でその時にはもうそこから簡単に降りられなくなっている。
そんな伝説の女性の人生を、ちょっと思ってしまいました。
知識入れたうえで二度目の視聴して良かったです。
あと、どうでもいいんですけど、
ハイヒールで走る姿ってやっぱみっともないっす。たとえアン・ハサウェイであろうとも!