ミステリーといいながらも旅の風情も感じられ、家族に対する各々の愛し方の違いや自分の境遇と苦悩、芸術家への尊敬と共鳴、一筋の光から自分達の新たな歩みなど主人公の光と影を目まぐるしく描いた壮大な物語です。

ノースライト

無名の一級建築士に舞い込んだ依頼。「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」雑踏の中から一歩踏み出した彼の想いは、一つの形となって完成し、皆が喜び評価された。

その家の主が引き渡しからわずか4か月で消息を絶った。2人の娘と1人の息子、温和な夫婦の身に何が起きたのか。

連絡も取れず、心配になった彼は現地へ向かう。バブル期にカタログ買いしたシトロエンに乗って。

 

物語はブルーノ・タウトという人物にもスポットが当たります。実際の建物や人物になぞらえたシナリオで過去と現在が現実世界でも交差する読み終わっても終わらない世界になっています。

■少林山達磨寺~少林山とブルーノタウト

http://www.daruma.or.jp/bruno/index.html

 

連載された雑誌「波」にノースライトを描くに当たってのテーマや想いなど著者のインタビュー記事もありましたのでリンクしておきます。

 

■横山秀夫インタビュー ノースライト刊行記念特集

https://www.bookbang.jp/review/article/563928

 

■作家の流儀-横山秀夫さんに聞く~トピック

https://this.kiji.is/-/topics/488540209970676833

 

■書籍データ

初版  :2019年2月28日

著者  :横山秀夫(よこやまひでお)

装画  :agoera

装幀  :新潮社装幀室

 

ジャンル:小説・ミステリー

販売元:新潮社

 

■読書人の雑誌「波」~新潮社

https://www.shinchosha.co.jp/nami/

 

 

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とても重く悲しいテーマを東野圭吾ならではの演出で綴った、涙無くして語れない物語でございました。

人魚の眠る家

冒頭だけ読むと、とても大きなお屋敷に住む、まるで眠っているように目を閉じた少女のお話だと思っていたら、警察を巻き込んだ娘を愛する母親の愛憎劇でした。中盤は涙が止まりませんでした。それに今回の話はとても残酷な、どんよりした気持ちもあります。かなりショッキングな場に何度も遭遇しているので一気に読んでしまうことをお勧めします。

 

東野圭吾の演出は小説の中ではできても、映像化したら大変だと思う場面があります。この作品も映画化されたようなので、機会があればアノ演出がどのように再現されているのか確かめてみたいと思います。

あと先生が読み聞かせしていた絵本も気になります。

 

以下ネタバレ含む部分の為、文字色を反転しています注意

子供が不慮の事故で脳死と診断された家族の苦悩、事故の謎、冒頭の紙飛行機を飛ばした少年の行方、日本での臓器移植の難しさ、最新技術で判明する人間の神秘。

まさか最後の最後に少年が現れるとは恐れ入りました。

 

これらが巧みに絡み合って最後には笑顔が戻りますが、それまでは泣きます、泣いてばかりです。

大人になれば運転免許証や保険証などに臓器提供の意思表示の欄がもうけてありますが、子供に対しては全く考えていませんでした。身近にそういう経験をした人がいないとなかなか気づけないことです。

今回のテーマは家族や親族、学校でも一石を投じるものになるのではないでしょうか。

 

 

最近テレビで人体について命令は脳からだけではなく、臓器がそれぞれのシグナルを脳を返さず行っているようなことが言われましたね。タモリさんと山中教授の番組。

https://www.nhk.or.jp/kenko/jintai/

 

あと、同じ境遇になった娘がある治療の成果で目を覚ましたという奇跡を取り上げた番組もやってたと思います。内藤剛志さんがMCやってた。

https://www.tv-asahi.co.jp/eizou-xfile/#/

 

■書籍データ

初版  :2015年11月20日

著者  :東野圭吾(ひがしのけいご)

装幀  :名久井直子

装画  :布川愛子

 

ジャンル:小説

販売元:幻冬舎

 

■幻冬舎

https://www.gentosha.co.jp/

 

■映画「人魚の眠る家」

http://ningyo-movie.jp/

 

 

 

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鋼の森ってどんな森だろう。タイトルと装丁に惹かれて手に取りましたが、ピアノの調律師の成長物語で、読み終わるころには独特な世界観に心酔しました。

羊と鋼の森

戸村(とむら)は山間にある集落で平坦な時間を過ごしてきた高校生でした。その日は中間試験中でみんな早めに下校していましたが、教室に残っていたという理由で先生から案内を頼まれました。

理解ができないまま、職員玄関に行き来客者を体育館に案内します。

会釈をされたので、会釈を返し渡り廊下へ向かいます。

森の匂いがする。それが戸村のなにかを、頭の中を駆け巡ったんです。案内だけのはずが、何かとてもいいものが聞こえた気がして、振り返ります。そして戸村はピアノの、彼の元へ戻ります。

何かを・・・・探していた何かに手を伸ばしたんです。そして後日言いました。「弟子にしていただけませんか」

 

 

ピアノの調律師というジャンルはほぼ初めて知りましたが、絶対音感や音楽に携わっている人しかなれないものだと思っていました。

物語の彼は音楽、というより言葉のやり取りから一般的な人とは違った感性を持った人物だと感じました。だからなのか、その音の表現を文章で表す独特の世界観は、今まで感じたことのないイメージが音と映像で迫ってきて、双子のエピソードはグっときました。

 

またこの小説は映画化もされているそうで、映画によるイメージ上書き防止の為、読んだ後告知など拝見しましたが、文章で表現していることを映像で魅せる映画ならではの演出になっている模様。機会があれば映画も視聴してみようと思います。

 

■書籍データ

初版  :2015年9月15日

著者  :宮下奈都(みやしたなつ)

装画  :牧野千穂

装丁  :大久保明子

発行  :文藝春秋

 

ジャンル:小説

 

■文藝春秋

http://www.bunshun.co.jp/

 

■宮下奈都Twitter

https://twitter.com/NatsMiya

 

 

 

 

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