日本の警察学校を舞台にしたリアルサスペンス。それぞれが立派な警察官を夢見て集ったこの場所で警察官としての自覚と己の鍛錬を磨く学生達。非日常の厳格な規律の中、教官の入院により代理の教官がやってきた。

長岡弘樹「教場」

彼の名は風間公親(かざまきみちか)という白髪の男。どこか見透かされるような彼の眼差しが特徴的だ。学生たちの訓練や人間模様をリアルに驚き、警察官という職務の責任や行動がいかに厳格に決められているかということを知ることができる。

 

彼のクラス(風間教場)の学生個人が各章ごとに時間が流れてゆく。それぞれの想いや苦悩、嫉妬や恨みが恐ろしい事件の発端となる。マジか。想像しただけでゾワっとすること間違いなし。

 

そんな人間関係を遠くから観察し、解決していく風間の手腕に驚かされるのがひとつ。ストーリーは場面転換が唐突にやってくる。さっきの話は次の章のバックグラウンドでその結末をなんとなく知るがこの書き方は何かこう答えが出たような出ないような。思わず唸り声をあげる。

 

学生たちの性格、得意な科目、不得意な科目が巧みな伏線となり、訓練や休憩時間、自由時間など警察学校で起きる出来事をつなげてゆく。

 

現在は教場2も発売しているという事で、気が向いたら買いに行こう。この本を買ったのは2013年であり、読んだのが今。この時間差の間に新たなコンテンツが出ているんだからそう焦ることもないだろう。

 

また2020年春にはフジテレビでドラマ化が決まったということで、風間教官役には木村拓哉が登板。どういったドラマになるかも楽しみ。でもこれをテレビ放送って、あのシーンとかトラウマになりそうで怖い。

 

■書籍データ(教場)

初版  :2013年6月24日

著者  :長岡弘樹(ながおかひろき)

装画  :中島恵可

装幀  :山田満明

発行  :小学館

 

ジャンル:警察学校、ミステリー、人間ドラマ

 

■長岡弘樹『教場2』出版記念インタビュー!「具体性」をストーリーの細部に宿らせる執筆術とは?

https://pdmagazine.jp/works/nagaoka-interview/

 

■フジテレビ開局60周年特別企画「教場」

https://www.fujitv.co.jp/kyojo/

 

■小学館~教場シリーズ

https://www.shogakukan.co.jp/pr/kyojo/

 

 

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日本の高齢化、定年後(老後)の暮らしについて考えさせられる作品。Paravi(パラビ)で見つけた大泉洋主演の同名ドラマから入りました。面白かったけど、終わりがちょっと中途半端な気がして、原作はどうなってるのかと電子書籍で読んでみました。

プラチナタウン

<あらすじ>

大手総合商社(四井商事)に勤める主人公(山崎鉄郎)は海外赴任の経験もあるエリートだ。会社の荒波を乗りこなし、より高みへと昇りつめる計画が、ある日突然打ち砕かれた。

上司の機嫌を損ねた者の末路は決まっている。本部から異動させられ戻ってくることは叶わない。子会社や関連会社に出向していく。鉄郎は荒れた。

 

時を同じくして、宮城県にある小さな町(緑原町)に事件が起きた。今のご時世どの市町村でも地方は人口減少が止まらない。若者の流出、それによる地域住民の高齢化。そんな中で周辺地域が宮川市への合併話が持ち上がったが、緑原町だけ合併できないという。

理由は高額な借金。その額なんと150億円。

この窮地に町役場総務課の熊沢健二(通称クマケン)が町一番の高学歴を持つ鉄郎に目を付けた。

「あんだ、町長さなってけねぇべが」

 

数年経てば町は破産し財政再建団体の手によって職員の大幅リストラされ、公共機関は閉鎖や縮小、目に見えて衰退している町の町長になるか、出世街道を外れ給料も上がらずそれでも子会社の社長ポストにしがみついて人生を老いてゆくか。

どうする、鉄郎。-----

 

<感想>

話は鉄郎が故郷に帰って町長になって、四井商事に委託して老人施設のテーマパークを作るまでを描いているが、ドラマとはでてくる人物やストーリーはまるで違いました。

 

プラチナタウン、語っている人物も違うので、ドラマから見た私は、脚本家の凄さを感じるました。

見せ場といえば利権争い。土着の古巣議員(通称カマタケ)と四井商事から派遣され運営の企画担当になった渡部和美のやり取りは面白い。

 

ドラマでは鉄郎の元恋人との復縁疑惑、四井商事のライバルとボランティア活動繋がり、老人ホーム構想への導入部分、町役場の配役、カマタケとの因縁対決が次々に起こり解決していきますが、原作では鉄郎は結婚して子供も大きいし、実家の酒屋はすでに畳んでトラクターの展示とかしてるし、場所がそもそも宮城だし、四井商事でプランが進行していたり、社長肝入り事業になってたりカマタケが議員辞職しある事をしてバッシングを受けたりとその違いにビックリしましたが、結果もう少し先の話まで読みたかった感じが残りました。

 

■書籍データ

 

初版  :2008年7月23日

著者  :楡周平(にれしゅうへい)

発行  :祥伝社

 

ジャンル:小説・高齢化社会・老後の生活

 

Paravi(パラビ)プラチナタウン第5話:https://www.paravi.jp/watch/94

 

 

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ネット掲示板を使って語り口調でストーリーを積み上げていく、当時話題になった小説との事ですが、私はこの本が初見なので普通に読み物として堪能しました。

ゲーセンで出会った不思議な子の話

「ゲーセンで出会った不思議な子の話」と書き下ろし「最後の花火」の2本立てでしたが、私は「最後の花火」の方がいい感じに思いました。

 

小説の書き方としては、今でこそWEB小説の投稿サイトがたくさんありますが、掲示板に少しずつ物語を紡いでいく。しかもでコメントや返事をしながら、物語が形を変えながら進んでいくという手法は今でも珍しいと思いますし、それで書籍化して作家デビューするというのもすごい才能だと思います。

 

ただ正直、書籍から入った私はその感動を共有できなかったのは残念です。それはこの本の小説という型に嵌めてしまったがゆえの損失だと思います。

 

2013年に買ったのに今頃読んでいる時間差が2ちゃんねるを探しても2012年のスレッドが見つかるわけもなく、その時どうコメントを受けていたのか気になる作品となりました。

 

「ゲーセンで出会った不思議な子の話」あらすじ

ゲームセンターで出会った女子大学生とアーケードゲーム好きの主人公。その出会いは偶然ではなく、今思えば必然だったと思う。そんなほろ苦く儚い想い出をお話しします。

 

「最後の花火」あらすじ

夢破れた青年は、大学卒業後一流企業に就職したが、会社の歯車(一部)のような生活にピリオドを打つ。人生は一度きり。夢を夢だとするか現実とするかは自分次第だ。

彼の夢は「ゲームクリエイター」になって世界一面白いゲームを作る事だ。今更そのことに気づかされたのも、その夢を持ったのも同郷の夏美のおかげだった。

二十三歳でゲーム制作専門学校に入って、猛勉強した。悔いのない人生を。夢に向かって新たな道を歩き出したのだ。

 

■ファミ通.com~独占インタビュー

https://www.famitsu.com/news/201309/10039786.html

 

■書籍データ

初版  :2013年10月2日

著者  :富澤南(とみざわみなみ)

デザイン・装幀:松岡大石

 

ジャンル:短編小説、恋愛小説

販売元:エンターブレイン

 

■YouTube

■ニコニコ動画

https://www.nicovideo.jp/watch/sm16745503