都内某バーにて…その8
最近、体を動かしてない。
まぁ自己管理の甘さと仕事の忙しさからといううのが大きな理由だ。
だからボクシングジムも必然と幽霊会員になってしまう。
さすがに現在は真剣に取り組むわけにもいかないし、目標も作れないので身体維持とモチベーションを上げることを目的としている。
それにしても行けてないなぁ~!
私の周りには結構ボクシングをやっていた方が多い。
今の会社の同じ部署40名(半分近くは女性)近い中でナント私を含め1割の4人がボクシング経験者だ。すごい割合でないか?
その中の若い子は今もプロになるか迷っていて時々相談を受ける。
やっていたからこそ慎重にならざるえない。間単に「やってみればいいじゃん!」とは言えないのである。
その若い子にしたって数年もすれば年収で日本チャンピオンの稼ぎくらいは今の会社ならば可能だ。
仮に今からプロになり今年デビューしたとして、その世界で余程注目されてでもいない限りは日本タイトルに挑戦できるのは3年後だ。
それも一握り、全てが上手くいった時の話で、しかも彼の体格からするとフライ級前後、日本では最大の激戦区だ。
以前、まだ一生懸命ボクシングをやっていた頃。ジム内で一番のテクニシャンの子がいて、私はその彼とスパーリングをしたくてしょうがなかった。強いものへの憧れだ。それを身をもって確かめたかったのだ。
しかし彼はプロでその練習の邪魔をするわけにもいかず言い出せなかった。
彼は順調に3戦3勝1KOとテクニシャン振りを発揮し勝ち進んだ。しかし、4戦目微妙な判定で初めての敗北を喫してしまった。
ボクシングではたったの1敗でダメになってしまう人がいる。彼もそのタイプだった。
その後の練習ではテクニックも影を潜め無残に殴られ続ける彼を良く目にした。
酷い世界だと痛感したエピソードのひとつだ。
そして彼が止めると聞きスパーリングをお願いし、私が彼の最後のスパーリングの相手となった。
階級でいえば私が3階級くらいは上だったし、体格も明らかに違う。目の前には私の憧れた時の彼ではないが、どうしてもやってみたかった相手がいる。この時ばかりは私も本当に真剣だったと思う。倒す気以上、殺す気でやった唯一のスパーリングだ。
ゴングがなりジャブを打つ。私のジャブで彼のジャブははじき飛ぶ。スピードは彼が上だがパワーでは明らかに私に歩がある。
でもその後、当たらない。
パンチが当たらない。
かすることさえ出来ない。
体格を生かしロープに押し込めてもパンチが当たらない。
左フック、当たる直前まで目で追いインパクトの瞬間…彼は消えた。
ゾっとしたのを覚えている。この彼でさえプロでは通用しないのかとプロの敷居の高さを改めて思い知らされた。
単なる思い出話になってしまって申し訳ない。
色々と考えてしまうというのは年の証拠だね♪
まぁ若い時は何も考えずに世界チャンピオンを目指すのもありだと思うので、会社の彼がプロになると言ったら心から応援します。
そうそう!誰もたどり着けないバーのオーナーは大変おしゃべりで面白い人である。そのオーナーは見た目からは想像できないが元プロボクサーである。
…と言うわけで何とかタイトルに結びついたかな?
おそまつ!!!