こんにちは~とても寒くなりましたね。
こちら韓国は−15℃~−5℃を行ったり来たり
顔に突き刺さる程寒い冷気が身に沁みます。
なかなか触れる事も少ないかもしれませんが、本日のお話は
韓国医療の子宮移植です。
メイヤー・ロキタンスキー・キュスター・ハウザー症候群をご存じでしょうか?
少し長い事から、一般的にロキタンスキー症候群と言われています。
性分化疾患の一つで、先天的な膣の一部若しくは全欠損、及び子宮欠損の疾患
をロキタンスキー症候群と言います。
私達女性は思春期に体の変化を起こし、乳房の発育、生理が起きたりします。
このロキタンスキー症候群はなかなか早期に分かる事は稀で、卵巣の働きは通常と同じですが
中学生頃を過ぎて生理(初潮)が無いため、思春期で診断を受ける方が多いです。
この症候群のゆえに様々な思いを抱えて、いらっしゃる方達は少なくありません。
今年夏、韓国初の子宮移植手術の成功事例により、その手術を受けた女性が妊娠を準備中です。
今回の手術は最初の移植失敗後再試行が成功したもので、子宮再移植手術の成功は世界初になります。
1月にサムソン病院の子宮移植チームは「マイヤーロキタンスキークスターハウザー(MRKH)症候群」を患った35歳Aさんに脳死者の子宮を移植する手術に成功し、10ヶ月目 安定した状態を保っています。
MRKH症候群は、先天的に子宮や膣がない、または発達しない疾患で、女性5千人のうち1人で発生する症候群です。
卵巣機能は正常なため排卵が可能である事から、理論的に子宮が移植がされれば妊娠と出産もできる結論に至ります。
患者は子宮移植による妊娠を決心し、 国内初の事例であるだけに法的諮問と保健福祉部検討、機関生命倫理委員会審査を経て昨年7月、母親から子宮を生体寄贈により移植手術を試みました。
しかし、最初の手術では移植した子宮の血流がスムーズではなく、手術2週間で除去しなければならない結果となり、その後、1月の条件を満たす脳死ドナーが現れた為、再手術で移植後29日ぶりに生涯初めて月経を経験されました。
病院からは、月経が起きたのは子宮が患者の体に安着したというサインだという事です。
現在、移植後周期別に施行した組織検査で拒否反応を示さず、規則的な月経周期を維持しています。
病院は、子宮移植チームが移植手術に先立ち、体外受精施術により出来たご夫婦の胚を移植した子宮に着床できるよう誘導中にあります。
移植外科・産婦人科・整形外科・映像学科・病理科・感染内科医療陣で構成されたサムスンソウル病院子宮移植チームは2020年に正式に発足して臨床研究を始めています。
移植外科教授は「国内初の子宮移植事例ですから、すべての過程を患者と共に'新しい道'を作っていくという心情で慎重に慎重を重ねた」とし「最初の失敗の過程は残念であったが、患者と共に克服し、今は患者が望む赤ちゃんを迎える第一歩を踏み出せて幸いだ」と話しています。
イ・ユヨン産婦人科教授は「患者と医療スタッフだけでなく、研究に惜しみなく支援してくれた後援者など多くの方が助けてくれたおかげでここまで来ることができた」として、「難しい選択をした患者とこれを応援した多くの人の努力が無駄にならないように 最後まで最善を尽くします」と話しています。
病院によると、子宮移植手術は去る2000年サウジアラビアで初めて試み、子宮安着には失敗に至り、 その後、2014年にスウェーデンで子宮移植とともに出産まで成功した最初の事例が出ています。
去る9月国際子宮移植学会の発表によると、今回のサムスンソウル病院手術件を含め、全世界的に成功事例は現在109件に達します。
新しい希望の道が今までよりも少し速度を上げて動き出している事を実感します。