今話題の【4592 サンバイオ】、先週の暴落から一転して、今週はすごい上昇でした。
特に、2月7日(木)はストップ高に張り付いたので、喜んで持ち越したトレーダーも多かったと思います。
ところが、翌日2月8日(金)は、まさかのギャップダウンスタートとなりました。。。
たとえストップ高でも、翌日まで持ち越すと、予想外に下落するリスクもある、という好例でした。
2月7日(木)から8日(金)にかけての値動きです。
7日(木)のチャートは、とてもきれいですね。
次第に下値を切り上げながら、最終的にストップ高に張り付いたので、翌日も大きくギャップアップしそうな、良い感じです。
とはいえ、いくつか不安もありました。
まず、暴落後の最安値2401円から、7日(木)のストップ高3325円まで、すでに4割近くも急上昇しています。
そもそも、将来に希望があって買われている、というよりも、あまりにも下落し過ぎたから反発しているだけなので、いつまた、下落してもおかしくありません。
また、寄り付きの直後からたびたびストップ高まで上昇するも、なかなか張り付きません。
特に、前場の最後に、非常に良い形でストップ高に張り付いて、買い注文もおよそ70万株まで増えたのに、後場がスタートしてすぐに剥がれてしまったのは、不安です。
売り注文が増えると、買い注文が急速に取り消され、結局、およそ48万株まで減って、売買が成立してしまいました。
つまり、「張り付かないようなら、すぐに逃げよう」と思っている人がかなり多い、ということです。
とはいえ、13:23に張り付いた後は、大引けにかけて買い注文はどんどん増えていきました。
最終的に、買い注文はおよそ100万株まで増えて、大引けでの成行買い注文もおよそ50万株も出ていました。
一方、売り注文はわずかに72500株だけでした。
これを見ると、圧倒的に買いが優勢で、ほとんどの人が「3325円のストップ高でも売りたくな
い」、つまり、もっと値上がりすると考えているようです。
ただ、その割にPTS(夜間取引)は弱く、3400~3500円で推移しました。
3325円でおよそ150万株もの買い注文があったのに、3400~3500円で売られていても買わない人が多い、というのですから、ちょっと不安です。
2月8日(金)は、朝の早い時間は、とても好調でした。
株価は前日から400円近く上昇して、3700円あたりまで上昇する勢いでした。
もしかしたら、4025円のストップ高にも届くかも、と期待した人もいるでしょう。
しかし、8:40頃からは、成行買い注文がおよそ30万株のまま、ほとんど増えない一方で、成行売り注文がどんどん増えていき、気配値はどんどん下がっていきました。
8:50頃には3500円、8:56頃には3400円と、前日のPTSで買った人は損になる値段まで下がってきました。
そして、寄り付きのおよそ2分前、8:58頃には、成行売り注文が50万株を超えて、ついに、3325円の前日終値まで下がってしまいました。
こうなると、たいへん危険です!
前日の2月7日(木)に買ったトレーダーは、3325円よりも値上がりする、と予想したからこそ、買っていた訳です。
言い換えれば、もし3325円よりも上昇しないことが分かったら、みんな、我先にと株を売りに出してくるでしょう。
特に、7日(木)は午後にいったんストップ高から剥がれて、3325円で48万株もの売買が成立していました。
つまり、48万株もの大量の株が売られる可能性があります。
果たして、寄り付きまでの2分間に、成行売り注文は20万株も増えて、70万株まで膨らみ、気配値は3250円まで下がってしまいました。
3255円よりも下がったため、特別売り気配になりました。
つまり、あまりにも売り注文が多いので、9:00の時点では売買が成立しない、という状況です。
こうなると、きわめて危険です!
値上がりを期待して、前日にストップ高で買ったトレーダーは、あとはもう、なるべく損が少ないうちに、早く手放したい訳です。
ところが、特別売り気配なので、手放すことすらできません。
特別売り気配では、売りと買いの注文数が合致するまで、3分ごとに(今回の場合は)70円ずつ切り下げていきます。
しかし、売りたいトレーダーがどんどん増えてしまうと、3分が経つ前に、もっと気配値が下がってしまい、いっこうに寄り付かず、株価が下がり続けてしまうことがあります。
もしそうなったら、逃げられないまま、ただ損失が増えるのを見ているしかありません。
幸い、2月8日(金)の【4592 サンバイオ】は、3200円におよそ8万株の厚い買い板があって、多少は売り注文が増えても、3200円より下がることは無さそうでした。
そして、9:03に、3215円で売買が成立しました。
結局、前日の7日(木)に3325円のストップ高で買ったトレーダーは、1株あたり110円の損失となりました。
仮に3000株とすれば、33万円の損になります。
ただ、もしも9:03までの間に、売り注文が8万株以上増えたり、3200円の買い板が取り消されたりしたら、3215円では止まらず、もっと株価は下がっていたはずです。
そうしたら、売りが売りを呼ぶ展開になって、予想外の大損失になってしまうリスクもありました。
今回の【4592 サンバイオ】のように、みんなが
「上がりそうならすぐ飛びつくけど、下がりそうならすぐ逃げたい」
と思っている銘柄は、たとえストップ高でも、持ち越すリスクを考えないといけません。