投資について学んでいる方であれば、「勝率よりも期待値が大切」ということを、ご存知でしょう。
※期待値とは、トレード1回あたりの平均損益です。
期待値がマイナスなら、どんなに勝率が高くても、最終的には損で終わります。
勝率が90%でも、勝ったらプラス1万円、負けたらマイナス100万円では、利益は出せませんね。
「勝てる手法」=「期待値がプラス」
なのです。
でも、勝てる手法を知っていても、「勝てる手法で勝つ」方法を知らなければ、損で終わってしまう可能性があります。
勝てる手法で勝つ方法、それは、
『十分な回数のトレードを行い、確率を機能させること』
です。
勝てる手法は、期待値がプラスです。
言い換えれば、
『無限にトレードを繰り返せば、絶対に利益が出る』
ということです。
ですが、トレード回数が少ないと、運の要素が入ってきます。
たった1回しかトレードしなければ、どんなに勝率が高い手法でも、負けることはあります。
何回かトレードすれば、勝ち負けが平均化されて、勝てる手法であれば、利益が出ることでしょう。
それでも、運が悪ければ、損で終わる可能性もあります。
本当なら『絶対に利益が出る』手法なのに、回数が少ないと、確率が十分に機能しなくなり、本来の優位性が発揮されないのです。
例えば、宝くじ。
これは、売り手が圧倒的に有利で、もしもすべての宝くじを売ることができれば、絶対に利益が出ます。
ですが、少ししか売れないと、もしかしたら損になる可能性が出てきます。
2億円しか売れなかったのに、その中に3億円の当選くじが入っていた、みたいなことが起きるかもしれません。
そこで宝くじの売り手がやるべきことは、
「何とかして当選くじが入らないように努力する」
ではなくて、
「できるだけ大量に(できればすべての)宝くじを売る」
なのです。
トレードも同じです。
もし、勝てる手法を知っているのなら、やるべきことは1つ。
とにかくトレードを繰り返して、回数を稼ぐことです。
そうすれば、確率が機能して、期待値どおりの利益が得られるでしょう。
逆に言えば、もしも、十分な回数だけトレードを繰り返せるのであれば、勝率が高いか低いかは、どちらでも良いのです。
期待値が同じであれば、途中の紆余曲折に違いがあるだけで、最終的に手元に残るお金は同じでしょう。
その意味では、長期投資に比べて、短期トレードは有利です。
短い期間でトレード回数を稼げるため、期待値どおりの結果を得やすいのです。
長期投資家は、会社の資産や事業内容を調べたり、経済について調べたり、より良い投資をするために工夫をすることでしょう。
こうした努力によって、投資の勝率を上げることはできます。
ですが、確率が十分に機能するほどの多くの投資を行うのは、年月がかかったり、大量の資金を分散させる必要があったりで、なかなか難しいと思います。