私の事好き・・
その言葉を聞いてから
学校でも、
学校が終わってからも、
ジェイとは会えなかった。
会いたい。
ジェイに会いたい。
ダメ、
ジェイの家に行ったらダメ、
また悲しい思いをするだけ、
分かっていても自分を止められない。
前回ジェイに借りたまま返せなかった傘があるのに気が付いた。
傘を返すのを口実に、ジェイの家に歩いていく。
また大人数のさわぎ声。
ジェイの家からだ。
どうして韓国人は毎晩毎晩大騒ぎするのだろう、
ジェイの送別会とは言っても、全く分からなかった。
今日はジェイに返す傘がある。
勇気を振り絞って電話する。
もしもし、ジェイ今外にいるの
なにしてるの
前借りた傘返しにきたんだー
ジェイはすぐに家から出てきた。
香水のにおいがいつもより強かった。
急いで今つけたような。
傘なんて、いつでもいいのに
ーいつでもって、いつー
心の声を無視した。
じゃ、もう帰るね、みんな来てるんでしょ
うん、じゃ送ってくよ
私とジェイの家は歩いて5分ちょっと。
そんなささいな優しさがとても嬉しかった。
まだもう少し、もう少しジェイと一緒にいられる。
手をつないで歩く。
あっという間に家についてしまう。
別れ際、ジェイが激しく私を抱きしめた。
嬉しかった。
泣き崩れてしまいそうになる。
行かないで
声にならない叫び声。
会えば会うほどつらくなる想い。
とうとう明日・・
明日、ジェイは帰国してしまう・・
今度こそ、確かめよう。
私とのこと、どう思ってる
ジェイが帰国した後も電話していい
留学が終わったらまた会える
ジェイのこと信じてここで生活しててもいい
ずっとジェイのこと好きでいていい
たくさん、たくさん聞きたいことがあった。
そうでなきゃ、ここでの生活をやっていない。
あと1年もこんな気持ちでいるなんて耐えられない。
もし、ジェイが遊びだったなら、それでいい、
ジェイをふっきろう。
YESかNO の返事だけが欲しかった。
もう中途半端な関係に苦しむのは嫌だった。
今度こそ・・・
今回が最後。
ジェイの家に歩いて行く。
思い切って携帯に電話。
手が震える。
何度もかけてはすぐ消し、かけてはすぐ消し、
気を失ってしまいそうになる。
やっとの思いでかける。
プルルルル
プルルルル
- もしもし -