「よし、演技のことならうちに任せな!」

学園祭へ向けて琴音の演技指導が始まった。台本を実際に読みながらその都度指導が入る。

「早稀、なんなんその読み方!『ネタ見せ試験うちが一番とったる』こんだけのセリフやで!?なに考えてんねん!」

琴音の演技指導は思った以上のスパルタだった。

「琴音、もっと落ち着いて優しく言うてや」

「これが落ち着いてられるか」

早稀の意見はあっけなく却下されてそれからもスパルタ指導は続いた。
早稀はこれ以上琴音を怒らせまいと意地で続けるとだんだんと良くなってきたのかあまり強く言わなくなった。
2時間ぶっ通しで練習をした2人。どちらかというと早稀より琴音の方がぐったりしている感じだった。

「やっと…やっと直ってきた…。」

「なんかごめん。でもありがとう。」

「かまへん。かまへん。次の授業いつ?」

「月曜やけど…」

「そしたらまだ時間あるな。早稀、毎日欠かさず特訓。ウチも付き合うから。絶対やで。」

「え、まさか、さっきのスパルタが毎日…?」

「あたりまえやろ。何いうてんねん。これでもまだ優しい方や。」

「うそやろ」

それから琴音は毎日、早稀のひどすぎる演技にぐったりしながらも諦めずに教え続けた。その甲斐あってだんだん早稀も方言でやれば目立たない程度になってきた。

「早稀、結構直ってきたやん!これやったら杉山先生も前よりは納得してくれると思うで!」

「ほんま!?ありがとう!」

早稀の演技はなんとか人に見せられるレベルになった。しかし、次の授業がある月曜までは毎日琴音からのレッスン地獄は続いた。

次の月曜。
前、琴音によくなった。と言われた早稀の演技はその時よりも上がった気がする。これで劇に出られるかどうかが決まる。
演技の授業が始まった。

「はい、みんな台本覚えてるよね?台本外して頭からやるよ。」

杉山の言葉でみんな一斉に位置につく。空気が張り詰めているように感じるのは気のせいだろうか。

「よーい。はい!」

杉山からの合図のあとそれぞれがセリフを言っていく。あっという間に早稀の長ゼリフになる。その時、杉山やみんなの注目が早稀に集まる。その中で早稀は琴音に言われたことを思い出しながら1つ1つセリフを言っていく。前回聞いた時とは比べ物にならない演技に杉山の顔は驚いているように見えた。
劇が終わると杉山は早稀の近くに来て
「合格。」
そう言って微笑んだ。




《こまつなから》
お久しぶりです。
2016年始まってから一切更新しなくてすいませんm(__)m完全にサボリですm(__)m
ここからちょっとばかし大事なところに入ってくるのでなるべく休まず投稿していきます流れ星
引き続き読んでいただけると幸いです
よろしくお願いしますm(__)m