私は中村君に一生懸命がんばっている姿を見せるため、
立ち並ぶ出店の前を通る通行人に声をかけて、
客引きをしました。
「クレープ美味しいよ!」
「ちょっと、寄っていってよ、美味しいクレープあるよ!」
なかなか中村君が気が付いてくれないので
わざと、
冷やかしで声をかけてくれる通行人の男子グループに
声をかけてへらへら笑っていました。
中村君を嫉妬させるために。
だけど、そんな私の行為は敢え無く失敗に終わりました。
というより、逆に男子の反感を買っていました。
「KAZUさんは男を物色している」とか
「KAZUさんはキャバクラの客引きしている」とか。
まるで下品な女だという評判が立ってしまったのです。
私はその噂を小耳に挟んで、
穴があったら入りたいくらいに恥ずかしく思いました。
「何てバカなことをしてしまったんだ」と激しく落ち込みました。
気が付くと、中村君からはすっかり無視されていました。
プレ学園祭が終わり、落ち込んだ日々を過ごしていた私の元に届いたのは、
中村君と河北さんが付き合いだしたという情報でした。
その後、私は拒食症と過食症を繰り返し、
大学を卒業するまで失恋のショックから立ち直ることはできませんでした。
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