今年3月に100歳になった母が

もう10年以上前、「セクハラ・パワハラ」の言葉が

テレビなどで話題になった頃、

「セクハラ・パワハラってなんのことを言うの?」と聞いた。

もうその頃だって90近くになっていた母だった。

大正生まれの母にとっては、青春を戦時中に過ごし、


それでも、そこまでの教育は


(母に直接聞いてみれば)クラシック音楽や、英語などは割合豊かだったようではあるが、


戦争が、その先を邪魔した。


それに、この新しい世の中のカタカナを使った


造語まじりの変遷著しい「新語」は


かなり意味不明だろう。


いや、アタシ達だって、


えっ、なんのこと?という場面がたくさんある。


今は、スマホが携帯用百科辞典のようになって、


(時には間違った情報がありながらも)


簡単に調べられるのでありがたい。


老母の質問の話へ戻すと、、


「それどういう意味?」というのは


よく母に訊ねられるが


ここでいつも感心するのは、決してわからない言葉を


そのままにしないことだ。


もう100年の余も生きて来たのに


若い人(もうまわり全員『若い人』だし・笑)が話している内容に


知らない言葉が出て来たら、すぐに、その意味も訊ねる。


積極的に会話に参加している現れだ。


「セクハラ・パワハラ」の時も、


うまく説明できたかどうかはともかく、


わかるように説明してあげながら、


私達の時代でさえ、「セクハラ・パワハラ」、、数えあげたらキリがないほどあったのに


この大正生まれのオンナは、


どれだけの「セクハラ・パワハラ」の波をくぐり抜けて来たことだろうと思った。


私達だって、どうかするとついこないだまで


何か言えば「女のくせに」とか


「女にしておくのはもったいない」とか、


まあ、そのくらいならまだ良いほうで、


随分と、セクハラめいたことを言われたり


されたりした。


それに仕事場では、いつも


変に威張るオジサンみたいな人がいて、


行事の酒席では、必ずそのオジサンは酒癖が悪かった。


威張って、大きな声で何か指示するのを


パワーハラスメントだなどと、知らなかったし。


仕事をしに行く場所で、


そんな、人間の裏側みたいなものを見なくてはならないのは


今考えれば、こちらも若くて、


そんなの気にしなくても、他に気にすることがたくさんあったから、、のような気もする。


大体、社会全部が「それ」だったから、


文句言ってもしょうがなかった。


それにしても、あちこちの自治体の長みたいな人の


「セクハラ・パワハラ」、、ここで急に露出して、


話題になっているが、なんとも、今の時代に


おぞましく、耳を覆いたくなる話ばかりだ。


まだまだ、我慢している人はたくさんいるだろう。


もう一度、男も女も「同じ人間だ」ということと、


「年をとっても」「役職が上でも」


同じ人間として、下の人に「威張ってはいけない」ということ、


それに、セクシャルなことで軽口をきいたり


相手が傷つくようなことを言ってはいないか、


もう一度、、特にオジサン達


考えたほうが良いと思う。


さんざん我慢したおば(あ)さんとして、


言っておきたい。