映画を観たり、テレビドラマを観たり
最近は出かけて行かなくなったが、歌舞伎や小さな小屋の芝居を観たりするのと
同じに、本を読むことが好きだ。
ただ、勉強家ではないので、
読む本には、テーマも持たず、くくりもなく
作家名とタイトルと、書評などが目に入れば
「面白いといいな!」と思いながら
ページを開く。
まあ、映画や芝居にも同じ興味で、
「つまらないと嫌だなあ!」くらいに観はじめる。
そんなわけで、「サバサバした」書き方の
身近にありそうなミステリーが主になる「桐野夏生」の本は、
時々、中毒のように読みたくなる。
今までに、何冊か読んでいるが、
追いつかないほどの多作ぶりで、時々
あの「サバサバしている」が「エグい」視点で、
直視できなくなるような情景をも、
いとも簡単(そう)に、描き出す
桐野夏生の作品が無性に読みたくなる。
東電OL事件を描いた「グロテスク」が、
初めて桐野を読んだ小説だったが、
その後、整形手術を繰り返し、だんだんに常軌を逸する精神状態になる女性を書いた作品(タイトルがわからない)、、とか
「残虐記」など、上記「柔らかな頬」にも似た
長い間の監禁生活を苦しみながらも、
ひょっとしたら「それ」を愉しむ気持ちもあったのか、、
読む方も、なんだか変な気持ちになるような「異常」な世界、
またテレビや映画にもなった「魂萌(たまもえ)」とか、
まあ、素晴らしい筆力ではある。
直近で「錆びる心」。
これは全6篇の短編からなる。
中で、「月下の楽園」という作品。
全く手入れをされずに荒れてしまったが
広大な屋敷の、元は立派な庭園だったに違いない他人の「庭」に、
どうしても「入りたい」男が、夜な夜な徘徊を繰り返す物語。
描写がうまくて、読むうちに、月に照らされた荒れ果ててしまった広大な庭園が
最後には、雪景色など、
目の前に浮かんで来て困った。
そして、、
こういう小説、読んだことあるなあ、
あれに似ている、、と、考えたら
江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」だった。
そういえば、桐野夏生は「江戸川乱歩賞」の受賞者だった。
私より2才くらい若い。


