昨深夜、寝ようかなというタイミングで


テレビ婆さんは、NHKGテレの「山田太一追悼番組『今朝の秋』」再放送に気付いてしまった。


これは寝るわけにはいかない。


テレビ好き、芝居好き、ドラマ好き婆さんのワタシは


山田太一物は、勿論全部観ているので


ストーリーも出演俳優も、胸にジーンと来るシーンも


全部覚えているはずだったが、


「貴重な物」がいつでも観られる時には、


さほどの有り難みを感じられないということを


改めて思い知った。


出演者のほとんどが、さすが山田太一物だけあって、


ハンパない名優ばかり、


しかも、そのほとんどが鬼籍に入ってしまっている。


笠智衆、杉村春子、加藤嘉、樹木希林、杉浦直樹、、


いやあー、うまい!


杉村春子は、「欲望という名の電車」などで、


劇場で芝居を観たりしたのも思い出すが、


またテレビドラマの場合は、テレビ用の演技で、


大振りな芝居用の演技と違って「芸が細かい」。


笠智衆といえば、小津安二郎物の映画で


他の俳優では考えられない「かけがえのない」演技をしていた「宝物」のような人だが、


やはりこの山田太一物で、しっかりとその味を出している。


名優揃いのそのドラマで、誰一人大袈裟なセリフ回しや、目立つ演技をするわけでなく


どこの家にもありそうな、なんでもない中での


その人たちにとっては大変な問題を、


淡々と、日常を壊すことなく表していることに、


改めて、唸るように感心しながら、


寝るどころではなく、しっかりと観終えた。


11月に亡くなった山田氏の追悼番組だから、もう少し前に放送したものだし、


山田太一物は、まだ他に色々あるが、


私にとっては、ぶっ続けで放送なんかされたら


悪いけど、たまらない。


一本見直しただけで、こんなに感動するんだから、


また時々、、時々でいいから、


こういう感動を味わいたい。


こういうドラマ、作る人もういないのかなあ、、。



↓横浜。ビルの上の方から。