近所に住む同年代の夫婦が亡くなった。


私は「この地」が地元ではないが、もう40年以上は


この地域に住んでいる。


東京で育つ時分には、何の興味もなかったが、


地方に来て、お祭りや、お囃子が身近にあり、


子供達は「和太鼓の会」や「お囃子」など


まあ、芸能好きって言えば言えるんだろうが


誘われるままに、豆絞りに祭り半纏すがたで


お祭りや、イベントに参加していた。


そこに、お祭り男がいて


どうやら、他の時は「冴えない」のに


お祭りとなると、生き返ったように張り切る人がいた。


張り切るだけあって、粋な姿は


ちょっと、見たことないほど「絵になる」人だった。


あとで知れば、あまり恵まれない生い立ち、


地元では、「祭りだけ」男の彼の「底」を知る人ばかりで


せっかくの祭り艶姿も、「あー、また張り切ってるよ!」くらいに


軽く見られるフシもあった。


よそから来た人は、「底」を見ていないので、


お祭りになると、ギャル達に声をかけて「ひっかけ」たり


「ひっかかった」らしく、夜中彼の奥さんが


帰ってこない亭主を探していたりする姿を見ては


やっぱりあの「イナセ」な姿は、女達も放っておかないだろう、、などと噂したりしていた。


私が知るこの40年の間、一時は子供達も


太鼓の指導者だったり、イナセなハッピ姿を作って(支度を手伝ってくれる)くれたりする彼を


少しは尊敬していた。


しかし、悪い噂も耳にしたり


歳をとって身体を悪くしたらしい、、なんて言うことも聞いていた。


(よその)ひとに優しい、うちの夫は


何度か「どうしているか」と、電話をしたり気にしていたが


電話にも出なくなって、よほど具合が悪いのかと心配していた矢先だった。


子供のいない(老)夫婦が、


死後数日の状態で、アパートの一室で冷たくなっていた、、とニュース。


個人が何かしてあげるのにも限界もあり、


また華やかだった自分を、見栄で飾っていたかったのでは?と


思う部分もあり、連絡が途絶えたまま


こんな姿になろうとは、誰も予想がつかなかった。


彼の華やかな艶姿を知る人々は、


いくら悪い噂があろうとも、この結末には


大きい衝撃を受けたし、


もっと何かしてあげられなかっただろうか、、と


自分を責める気持ちにもなる。


しかし、やはり


これは、個人の力でどうこう出来る問題ではなく


行政が放っておいた、、という情けない実態の表れだと思う。


もう働けなくなった2人が、生きる気力もなくなった、、


片方が冷たくなっていくのを、どうしてやることも出来ず、


自分もあとに従った、、こんな状態だろう。


世の中では、金の心配や仕事の心配など一切無用の


議員達が一枚二万円もするパーティー券を売り


300枚ものノルマをこなし、余った金をキックバックしてもらい


帳面にも書かず、自由に使っていたという。


一つの派閥だけで、何億にもなるという。


元は、ゼネコンなどの公共事業をした企業から出た金だという。


ちょっと、待って!


公共事業って、、それ税金じゃん!


このところ、「ナントカグランマ」とか言っちゃって


シアワセな年寄りが、趣味やスポーツジム通いにいそしむ様子を


テレビで、しきりに映し出す。


まるで、そっちへ関心を誘うように。


そんなの極一部よ!


少ない年金(長い間、安い給料の中から年金原資になる掛け金をかけつづけた結果)で、


それだけで生きて行くのなんか無理!という年寄りが


どれだけ世の中にいることか!


この祭り男なんか、年金なんかもらっていなかったんじゃないだろうか。


若い時にちゃんと貯金していなかったからだ!なんて


言うのは簡単だけど、


それすら出来ない人がたくさんいる。


老後二千万必要だなんて、ジジイ議員が言っていたが、


先祖代々金持ちの世襲議員に、


この哀しい「老夫婦の死」は、絶対に理解できないだろう。


パーティーを自粛するとか、首相は派閥を離れるとか


見当違いのニュースが流れる。


また秘書に責任とらせて、ハイ終わり!になるんだろうな。