話し声で目が覚めました。


誰かが私の左足の甲の脈を確認して、

「うん、大丈夫そうだな」と言いました。

誰か違う人が、

「このような経験は初めてで…またいろいろご教示ください!本当にありがとうございました!」

と丁寧にお礼を言っていました。


「やっぱりECMO回さないと厳しいですね…」

「そうだな、すぐ準備しよう!」

その会話が遠くから微かに聞こえて、私はICU的なところにいるんだと気付きました。


そして目を開けると、もっとびっくりなあることに気付きます。

私の口から青っぽい管が…

えっ⁉︎私、挿管されてるガーン

(正確には、麻酔器を離脱せず、そのまま人工呼吸器に乗せ替えられていた)


なんで⁈が10回くらい頭を回ってから、

看護師さんらしき人が

「先生、目ぇ覚めましたよー」。

医師らしき人が

「じゃあOFFで(プレゼデックスかな?)、呼吸器ももう離脱しちゃおっか」

看護師「えっ、いきなり⁈」

医師「じゃあ一旦CPAPにする?」

私「いやいや、CPAPとか要らんよ!離脱離脱!」

と言いたいけど、挿管中で声は出ない。


喀痰で喉がゴロゴロいう、苦しい。

めちゃめちゃ苦しい。

誰も気付いてくれない。

だからCPAPとか要らんのに!ムキー

人工呼吸器の高圧アラームを鳴らしてやろうと、

わざと思いっきり強めに息をしてみる。

鳴らないえーん

今どきの人工呼吸器は、とても優しく吸ったり吐いたりできるようになっている。

高圧が掛かって肺が圧損傷を受けないように、優しく優しく…それ故、高圧アラームもちょっとやそっとじゃ鳴らないのだ。

知らんかった…こんなにも鳴らんとはもやもや

諦めて、パルスオキシメーターを挟まれている側の手をバタバタして看護師さんを呼ぶ作戦。

気付いてくれた!

看護師「しんどい?」

私(うんうん!頷く)

→ 吸痰してくれる → 神キラキラ

医師「息、自分でできそうかな?」

私(うんうん!頷く)

医師「じゃあ、管抜くね」

→ ようやく抜管となりました。


そこでようやく、医師から説明があります。

「あとでまた詳しく説明するけどね。

ちょっと大きな血管が傷付いて、血管外科の先生に縫って貰いました。

で、出血もいっぱいしたからね、念のため一晩そのまま寝てて貰って、今ICUにいます。

もう今、口の管も抜いたから、今から病棟へ戻る準備しますね」

と。


一晩も経ってたんだ…ガーン

でも、まだ危機感は薄め。

私が絞り出した言葉は「開腹…ですよね…?」

医師「勿論、開腹です」

 (当たり前のこと聞くなくらいの勢い)

私は、仕事のことを考えていました。

腹腔鏡なら、2〜3週間で復帰するつもりだった私。

開腹だともうちょっと有休貰わなきゃキツいかなぁ…なんて。

呑気に考えていました。