PSYREN -サイレン- ☎ CALL136  "姉弟„


COMBAT BOOK-PSYREN

【PSYREN -サイレン-】  著 岩代俊明


アゲハが放った、『暴王の流星(メルゼズ・ランス)』のPSY(サイ)波動を、

自分の元に届く直前に、『生命の樹(セフィロート)』で破壊してしまう天戯弥勒。

アゲハの顔を認めた天戯弥勒は、以前に1度会っているとすぐに気がつく。


「宙には幾億の星 その一つと再び巡り合うのも また運命・・・」

───また会えたな 少年


さらに、10年前となにも変わっていないその姿に、アゲハたちが時を越えてきた

存在なのかと確信を深めたとき、そこに07号の声が響く。


突然現れた姉の姿に、驚きの声をあげる天戯弥勒。

しかし07号は、すでにお前は自分の弟でもなんでもないと冷たく口にし、

過去にあった出来事を回想する。


自分の行動を阻止しようとしていた存在の黒幕が、姉だと知った天戯弥勒は

あのとき、やはり「殺しておくべきだった」と悔やみ、怒りを顕わにするのだった。


射場(いば)公一が『Pacs』の電源を落とし、天戯弥勒が脱出を図った直後の

グリゴリ施設内部。

弟に声をかけられていた07号は、行動を共にはしないとはっきり拒絶していた。


「正真正銘の化け物に 私はなりたくない」


                        □

今までにもなんとなく書かれていたけど、天戯弥勒の『生命の樹(セフィロート)』

発動は、やっぱり光の種子から始まっているみたいだ。

それもしっかりと種の形をしていることが、今回の最初のシーンで判明した。

これは、なにか意味があるのかな?


アゲハの顔を見て、すぐに時を越えてきた可能性に気がつく、天戯弥勒。

うーん、さすがに最初に会ったときから、10年が過ぎているもんなあ。

にもかかわらず、まったく外見が変わっていないのでは、不自然だと思うのは当然かな。


それでもすぐに「時を越えて・・・?」と思いつくのは、かなり勘がいい!


ちなみにジュナスは、影虎を見ても気がつかなかったけど、これはやっぱり

大人と子供の差だと思う。

影虎は10年後でも、あの外見はほとんど変わらなさそうだもんな。


ついに弟との邂逅を果たした、07号。

今回の、この兄弟の間で行われた会話こそが、07号が本当にしたかったこと

なのかも知れないなあ、とすこし思った。


そのためにネメシスQを作り、サイレンドリフトたちを、弟がいる首都へと

向かわせようとしたのかも知れない。


あと、もしかしたら07号は、どこかでまだ、世界をこんな姿にしたのは

天戯弥勒じゃなく、別の人間という可能性もあるかも知れない、と

思っていたのかも知れない。


自分の知っている弟が、ここまでするはずない!というように。


だからこそアゲハたちには、

弟の天戯弥勒が、「どうやって こんなことをしたのか・・・」を知りたいのだと

言ったのかも知れないなあ・・・・・・。


天戯弥勒がグリゴリを脱走する際の詳細な場面についても、ついに描かれた。


このときに、天戯弥勒がどうして姉と行動を共にしなかったのか、

ずっと不思議だったけど、すでにこのとき07号は、弟からの誘いを断っていたみたいだ。


結果的に07号はこのあと、もう用済みとしてグリゴリから別の施設に移された訳だけど、

弟についてはいかなくても、施設から脱出するという選択肢はあったはず。


それをしないで、施設に1人で留まったのは何故だろう。

研究の結果、自分でも把握しきれないくらいの能力を身につけてしまい、

外に出るのが怖かったとか?


それとも、あらゆる感情を捨てた結果、外に出ようと施設の中にいようと、

どちらでも構わないと、感じるようになっていたのかな。


うーん、どちらであっても、悲しいなあ・・・・・・。


あと、やっぱりあの悪い顔した所長は、ひどい目にあってました・・・・・・。

                        □

姉の決意が、あの時となにもの変わっていないと知り、ためらいなく

『生命の樹(セフィロート)』を姉に向けて放つ、天戯弥勒。

その攻撃から、『ノヴァ』を発動したアゲハが、07号を抱えて瞬時に回避する。


今の自分はあくまでも、カードを媒介にして姿を見せている幻に過ぎないから、

守る必要はないのだと説明する07号だったが、それでも自分を助けてくれたことに、

素直に、「ありがとう」と感謝の言葉を口にする。


そして以前はあの男とも、「こんな風に助け合えた筈だった」と語る07号に、

アゲハは自分の強い決意を口にするのだった。


「俺はあの男を止める 俺達はこの時代の人間じゃない だが それでも」

俺は この時代を救う為に闘う


それを聞き、微笑を浮かべて消えていく07号。

今のアゲハの状態の変化に気づき、成長を遂げたらしいと悟る天戯弥勒。

薄笑いを浮かべ、姉との間に以前はあった"絆„を、今はアゲハが持っているとして、

そんなアゲハを、「憎い」と語る。


それを聴いたアゲハは、天戯弥勒のあまりに勝手な言い草に激怒!


「何十億という 人達の命を奪っておいて・・・!! 俺が・・・ "憎い„だと・・・!?」

何を言ってるんだ お前は・・・!!


そして黒いノヴァを発現させ、今までになかった新しい『暴王の月(メルゼズ・ドア)』

作り出すのだった。


                        □

07号に私は実態じゃないぞ、と指摘されて、あ、そっかと気がついたときのアゲハが

ちょっとかわいかった。

そして弟との過去を思い返す07号を見る目の、優しさもよかった。


今回のアゲハは、これまでに見せてきたアゲハの内面の集大成という感じで

凄くよかったという気がした!


相手を思いやれるやさしさ。

真摯で実直な怒り。

ためらいなく相手の生殺与奪に関わる覚悟。


そして、ついに発動したアゲハのノヴァ!

な、なんか黒くて、悪っぽい!


光の天戯弥勒に対して、黒くて悪そうなアゲハ!

これは、楽しみになってきた!


でも、なんだか凄すぎて、コントロールできてなさそうだなぁ・・・・・・。

大丈夫かな?