昨日、コマオはいろいろな人におめでとうと言われた。
コマオは少し照れていたが、とても嬉しいと思っている。
友人からは嫁の体に気をつけてやれと言われ、同僚からは嫁に無理するなと言ってくれと言われ、目上の方々からは嫁に仕事を辞めるよう言いなさいと言われ、コマオは改めて嫁が子を身ごもる重大さに気づかされた。
そして、その妊婦の人気ぶりに嫉妬も覚えた。
また、コマオの母はおかしな事を言い、コマオらを祝福した。
掻い摘んで言うと、先日、母はつわりのような気持ち悪さに襲われたらしい。
それでも用事があるので車で出かけると、信号待ちの歩行者にコマオそっくりな青年がいた。
コマオは前髪をくしゃくしゃいじる癖があり、その青年も同じように前髪をくしゃくしゃといじっていたとのことである。
ただ、唯一コマオと青年の異なる点は青年が赤いチェックの洋服を着ていた事である。
コマオは赤など決して着ない。
「あんたのトコに何かあったんやと思ってたんや」
母はまるで予知していたかのように電話でコマオに告げた。
コマオは少し困ったが、まぁ気のせいだと思いますよと、敢えて厳しい言葉は言わずにおいた。