コマオは昨日今日でホワイトデーによるお返しを大方済ませた。
毎年なんのこだわりもない既製品をお返しにしているが、今年は少し趣向を変えてみた。
前々から気になっていたお店のジャムで、そのお店のクラッカーにつけて食べるとまた一段と美味しくなる自然食品である。
コマオと嫁は試食に試食を重ね、ようやくお気に入りのジャムとクラッカーをホワイトデー用にラッピングしてもらった。
コマオは嫁にもお返しをしなければならないが、嫁は嫁で同僚の女性たちからいただいたチョコのお返しに忙しい。
そして、なぜかW辺くん26歳オスからもチョコをもらっていたので、嫁がホワイトデーにお返しするという。
嫁の身辺は不思議がいっぱいである。
コマオは嫁に対するお返しに苦慮している。
理由は二つある。
まず、コマオの財布は経済的に少し厳しい状態だ。
来月7日に控えた日本代表戦に同僚ら4人で観戦に行く予定で、コマオがそのチケットを購入する係りとなった。
チケット4枚で2万円。
これでひと月のお小遣いの約7割はなくなった。
運の悪いことに、同僚らはコマオと同様にB型であり、すぐにチケット代を支払う発想は皆無だ。
今までの経験上、おそらく試合当日まで支払うつもりはないだろう。
二つ目はコマオがプレゼントに向いていない男だということだ。
コマオはこれまでも嫁に対するプレゼントを事前にリサーチし、購入したことなどない。
好きそうな物は何となくわかるのだが、自信がない。
「三宮か西宮ガーデンズに連れて行って、商品を選んでもらうのが無難なのさ」
コマオはコーヒーを啜りながら呟く。
本番は14日。
コマオは京都で行われる学会を昼に抜け出し、梅田で嫁と合流し、愛すべきクラブの観戦をし、お小遣いの前借りの後にガーデンズでお買い物とディナーを楽しむ予定だ。