コマオは激怒した。
かの愛すべきクラブは開幕戦を落とした。
まだ寒い三月の夜風がコマオらを余計に凍えさせた気がする。
フットボールクラブを応援していれば負けることもある。
常に勝つようなデキレースはない。
好き好んで応援している身としては、信じ続けるしかない。
たった一試合を落とした。
しかし、開幕戦。
これは後々、大きな黒星となる。
試合終了後、コマオと嫁は手早く片付けをし、仲間に礼を言ってスタジアムを出た。
早く寝床へ戻り、温かいお茶漬けを食べよう、と。
コマオの携帯電話が震えたのはその時だった。
相手はY輔くん。
「コマオくん、今日は最悪でしたね。あったかいお茶でも飲みませんか?」
唐突だったがコマオは誘いにのった。
Y輔くんは箕面市船場東にあるバーを指定する。
コマオと嫁は指定されたバーに行くと、Y輔くんがユニフォーム姿で店の前に突っ立っていた。
箕面市船場東に呼び出した理由は一つ、彼はこのバーの副経営者だった。
コマオと嫁とY輔くんは三人揃って酒を飲めない。
飲めないでバーにいる。
コマオらは三人揃って愛すべきクラブが開幕戦で敗れた気持ちを語り合い、カフェラテやらホットココアやらをぐびぐびやった。