コマオと相方は挙式での衣装合わせに出かけた。
相方は前回のうちにドレスを何着か試着し、当日の衣装を選んでいたので小物類を合わせた。
結論から言えば、お互いに夜勤明けということもあり体調の悪さが目立った。
午後の二時半から始まった打ち合わせは終わりを迎える頃、辺りに夜の闇が広がっていた。
まず、式の主役である相方がティアラやら手袋やら小物を何度も着けては外しながら一つひとつ丁寧に時間をかけて選んでいく。
対して、式の主役級の存在であるコマオはタキシードを一着即決した。
相方を待つ間、相当な眠気がコマオを襲い、欠伸の一つひとつが係りの者をプンプンさせた。
この係りの者、年齢ははっきりしないが仕草がかわゆい。
小物選びが中盤に差し掛かると相方に異変が見え始める。
相方曰わく、ドレスの締め付けは相当きついらしい。
「常に鳩尾を圧迫されている気持ちです」
夜勤明けの体調の悪い相方は弱音をこぼす。
ちょこちょこ締め付けを緩めながら何とか気力と意地を振り絞っていた相方だが、とうとう我慢の限界に達したのはその時だった。
ドレスを緩めるため、カーテンを引いていた試着室からかわゆい係りの者が慌てて出てきた。
かわゆい係りの者はソファに腰掛けるコマオに一礼すると、すぐに走り去った。
そして、それよりも早い速度で戻る。
ビニール袋を紙袋で覆った物を手にして。
この時、相方はドレス姿のまま胃の中の物をリバースしかけていた。