コマオは性懲りもなくスタジアムに居る。
日曜日にあれほどへこんだにも関わらず、たいしたものである。
試合は19時の開始なので、昼間は相方と買い物に出かけていた。
5月の頭に相方の生誕祭がある。
コマオの財布は来月もぺったんこに違いない。
今日は生誕祭の第一段として靴を買うことにした。
コマオらは何らかのイベントに高価な品物を購入するわけではなく、お手頃な品物をいくつか贈答するのが決まりとなっている。
したがって、この一週間であと何度か買い物をしなければならない。
コマオらはファミレスで簡単にお昼をとり、スタジアムに赴いた。
中途半端に時間があったのでクラブハウスを覗いたり、そこで将来を有望されている若手に出会ったり、グッズの購入をするか否かで時を無闇に過ごした。
コマオはまだ今年のレプリカユニフォームを持っていないので、相当悩んだようだ。
結局、何も買わずにスタジアムで開場を待っていると、列整理のスタッフがイケメンであった。
髪型についてコマオらが盛り上がっていると、話は毛の色に発展する。
コマオは黒髪に拘りがあるのでカラーリングする習慣がない。
相方は毛の色の明るい人なので、この手の話になると決まってコマオにカラーリングをお勧めする。
やってみろ・イヤだの押問答が続いた所でコマオは閃いた。
「カラーリングを条件にレプリカユニフォームの購入を許してくれませんか?」
殴られる事を覚悟した交換条件だったが、相方は意外にも受け入れた。
相方にとってコマオのカラーリングと17,500円のレプリカユニフォームは等価交換の対象となる。