コマオは月末の残り少ないお小遣いに四苦八苦している。
銀行のキャッシュカードは相方のお財布にて保管され、コマオの手の届く範囲ではない。
クレジット付きのポイントカードを持っているが、使用すると忘れた頃に明細が届くのでしばかれてしまう。
「月末は不自由だ!」
コマオは憤りを隠さない。
しかし、八つ当たる相手もいない。
よって、一円を浮かすために脳を回転させる。
そうしているうちに人間は困難を乗り越える動物なのだと気付き、独りじゃないという複雑な安心感を手に入れる。
昨日、コマオは己との約束どおり『ぐるりのこと。』のDVDを購入した。
まだ特典映像しか見ていないが、それでも満足気である。
世の中、『おくりびと』と『つみきのいえ』が話題になっているが、コマオにはほとんど関係のない話である。
「来月には2本とも買います」
コマオは単純に金欠だ。
金欠のコマオは図々しくも相方に映画を奢ってもらった。
『マンマ・ミーア!』と言う映画である。
相方は友達と一緒に観た映画だが、面白いからもう一度観たいと言い出し、近場の映画館に赴いたわけである。
相方の誘いに対し、コマオに断る理由は無いしあってはならない。
ミュージカルで非常に賑やかな映画である。
映画を観てしっぽりしたいコマオには不向きな感じだが、とりあえずキュートな作品と感想を述べている。
相方は非常に気に入っているので、コマオは空気を読む男となる。