多忙は人生を充実させる。
その日の決まった料理が絶妙のタイミングで運び込まれる高級リストランテのコースは美味しく、非常に優雅であり、それを慣れた手つきで扱えばモテる。
しかし、近所の鉄板焼き屋さんでワイワイガヤガヤと注文した“ふわとろお好み焼き”や“軟骨塩炒め”、明石焼き風にお出汁で食べる“出汁巻きタコ”が所狭しと鉄板に並び、多少焦がしても味は旨い料理もある。
コマオはどちらも好きだが後者に慣れている。
何かと仕事の忙しさを理由に、時間のある休日でも外食に頼りがちだったコマオである。
小川糸氏の『食堂かたつむり』を読んで、仕事上がりの21時からでもお持ち帰り牛丼に頼らず、台所に立つようになった。
コマオは小説から知識とともに生きる上で大切な歓びを得ている。