朝食を済ませ、装備を回収して整え、幕営地のすぐ上流の辺りから取り付く。踏跡はまったくない。

 

 6:05 出発

 

沢を戻る予定だったので、0.5リットルのペットボトルしか持ち合わせていない。それがネックだ。

それでも、酷い藪は少なかった。

 

傾斜が緩んだ1300m点辺りには昔の作業小屋が数棟立ち並んでいた。数十人は泊まれそうな二階建ての建物と、炊事場とトイレらしき建物が並んでいる。それを見て皆んな、水はどうしたんだろうと不思議がった。

 

 

急傾斜のところはアンザイレンして、コンテで進む。ところが、石がすっぽ抜けて僕が2メートル落下。左薬指を突き指してしまう。クライミング技術はまだまだ衰えていないはずなんだけど。まあ、疲れだろうな。

他の二人はラバーとフェルトの2足を持って来ていて、今はラバー。僕はフェルトのみ。そこで、途中からチェーンスパイクを貸してもらって、それを装着して登った。

すると最上部で今度は、リーダーが水不足で脚が攣ったと言い出す。「脱水、熱中症、脳梗塞で倒れるかと思った」とのこと。

 

誰もいない頂上にちょうど12時。もうこの先は一般道だ。

 

 

それでも辛いことに変わりはなかった。

久しぶりに滅茶苦茶疲れた。いったいいつ以来だろう?

 

 

登山口に 14:51

 

ゲートのところで、彼女の足についているヒルを取ってやろうとしたけど、生地の目(あんな細かいところに!)に潜り込んでいて、口は啖いついているのか、引っ張っても抜けない。そこで、彼女が持っていた虫除けのハッカ油スプレーを試しに噴射してみると、(簡単には離れなかったけど)落ちた上にやがて死んだ。大発見だ!

それにしても、死ぬかもしれないことより血を吸うことの方があいつには大事なんだ。

 

リーダーのログ

 

車の回収は、林道の入口まで3kmだと言うので、ゲートに装備を置いて、空荷で歩くことにしたのだが、「3人行くことないじゃん」に、「じゃあ俺が一人で行って来るよ」とリーダー。「こういうのを嫌がらないのが好いところだよね」などと噂しあっていたけど、遅い。何かあったんだろうか? と、思っていると帰って来たが、上半身裸でいる。「裸の王様現わる」などと揶揄っていたが、3kmだと思っていたのが、実際は倍の6kmあったとか。そのうえ、上り坂で暑くて脳梗塞になりそうだった、とか言う。

「3kmだと言ったのはあんただよ」(僕)「そう?」(リーダー)「ああ、行かなくて良かった」(女)

トンネルを抜けた先で栗代川を橋で渡るが、単なる広々とした河原で、上流部の面影はない。

車を回収して、ゲートにデポした荷物をピックアップし、僕一人だけ温泉宿に向かう。

 

林道入口(翌日の撮影)

 

寸又峡温泉の泉質は最高だった。ただ、ここらは標高が低く(500mちょい)、暑い。ヒルマークは十箇所くらいついていた。手首足首中心で、胴体にはまったくなかった。でも、首に二箇所残っていたのは、ショックだった。誰も気づかなかったのかな?

 

翌日の吊り橋観光の際に

 

サッカーW杯はアルゼンチンを下したスペインが優勝していた。

 

2026年7月20日