こんばんは
心理カウンセラーの吉田亮介です。
前回、高所恐怖症は、「自作自演」というお話をしました。
実は、理由はどうあれ、高いところが怖いという時、自分の中で何か怖くなるようなことを想像して怖くなっています。
ただし、ショック体験、例えば、小さいころにハシゴから落ちたなどの場合は、何かを想像して怖くなるというよりも先に、身体の反応が出ます。
それ以外のケースでは、「何かを想像して自分で自分を怖がらせているのです。」
だから、「自作自演」です。
では、この「自作自演」をどうやって止められるでしょうか?
実は、一定のやり方があります。
これは、基本的にカウンセリングの中でやるやり方なので一人ではやらないで下さい。
ひとりでやると、場合によっては、恐怖が出てきて精神的に不安定になるなどの可能性があるためです。
あくまで、カウンセリングの中でどのように対処するのかというお話になります。
まず、高所恐怖症であるクライアントさんには、ビルのような建物を想像してもらいます。
そして、そこにハシゴを掛けて屋上に登るところを想像してもらいます。
ただし、そのハシゴは頑丈で、絶対に倒れたりしないという設定にします。
さらに、魔法のくつや手袋というのをイメージの中でハメてもらって、絶対すべったり、落ちたりしないという設定にします。
そして、クライアントさんが納得するまで絶対落ちたり、すべったり、ハシゴが倒れたりしないかを確認してもらいます。
確認と言っても、本当にビルやハシゴが存在するわけではありません。
ですので、カウンセラーはひたすら「大丈夫です。絶対落ちたり、倒れたりしません。」と言い続けます。
そして、クライアントさんが納得したところでワークを始めます。
そして、イメージの中でクライアントさんに、そのハシゴを一段一段登ってもらいます。
恐怖症の人だとこれだけでも本当に怖くなります。
なので、怖さが出て来たら確認します。
「あなたは、どうやって自分で自分を怖がらせていますか?」と。
そうすると、「ハシゴから落ちたらどうしようと思って自分で自分を怖がらせています。」
というような感じで、ハシゴから落ちるところをイメージするなどして怖くなっていることがわかります。
そうしたら、「それは事実ですか?絶対滑らないくつと手袋をしているし、ハシゴも絶対倒れないのにどうやって落ちるのですか?」
「自分で自分を落とすんですか?」と確認します。
そうすると、「そんなことはありません。」など答えます。
そうしたらこんな風に言ってもらいます。
「ハシゴから落ちるというのは事実ではありません。私は、ハシゴから落ちるところを想像して自分で自分のことを怖がらせています。」
という風に言ってもらいます。
そうなると当人も、自分がそんな風に想像して、自分で自分を怖がらせていただけなんだなということに気付き始めます。
そうして、恐怖が減ったところで、さらにイメージの中のハシゴをもう一段登ります。
そうするとまた、高さを想像して、さらに落ちるイメージなどをして怖くなります。
ですので、さきほどと同じように「自分で自分を怖がらせているだけなんだということを」確認するということを繰り返します。
これを地道にやっていくだけで、多くの場合、案外あっさり、高所恐怖症が解決してしまいます。
実際、セッションで扱ったケースではあっさり解決しました。長年の高所恐怖症がたった40分程度で解消してしまうのです。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
心理カウンセラー吉田亮介