【打ち上げ中継を見る】
みどりちゃん「ほら、童子ちゃんとコユリさんが出たわよ」
びわ 「わー、すげー!」
やまはちゃん「びわくん、打ち上げを楽しみにしてたものね」
麦ちゃんの部屋で、史上最大の宇宙ロケット「スターシップ/スーパーヘビー」の打ち上げ中継を見ています。
童子さんとコユリさんはスターシップ打ち上げを中継する番組に出演しています。
【スペースX社の宇宙基地「スターベース」のコユリさんと童子さん】
Happy in HAPPY INN / (C)四色ミケ
2段目の宇宙船スターシップと、1段目ロケットのスーパーヘビーの説明を童子さんが、スターシップが実用化された際に、今後どのような宇宙ビジネスが始まるかをコユリさんが解説しています。
コユリさんが手にしている本は実際に発売された宇宙旅行ガイドブック「じゃらん 宇宙」です。
【初の宇宙飛行は失敗に終わったスターシップ】
3D-CADのSketchUpで作成したスターシップと発射台です。
4月20日に打ち上げられた、アメリカ・スペースX社が新規開発した超大型宇宙船スターシップの試験飛行は残念ながら1段目ロケットのスーパーヘビーの不調により、高度39kmで周辺への被害を防ぐために自爆装置が作動して破壊されました。
33基のロケットエンジンを搭載したスーパーヘビーは、アポロ計画で使われた、これまで最大だった宇宙ロケットのサターンVの2倍の出力を持ったモンスター級ロケットです。
しかし、打ち上げ直後に33基のエンジンのうち3基が停止し、高度を上げるに従い、最終的には6基のエンジンが停止あるいは火災を起こしたようです。
今回は無人での試験飛行だったのと、安全に破壊されたので人的な被害は発生していません。
スペースX社は当初より「成功確率は50%、だけど興奮は100%保証する」とアナウンスしていて、おそらくは現場で実際の打ち上げを見ていた方は100%以上の興奮を得られたことだと思います。
試験飛行は失敗に終わりましたが、無事に発射台をクリアーし、4分間の飛行中に得られたデータは膨大なものになり、改良されたスーパーヘビー2号機が年内に打ち上げられる予定になっています。
【1000人乗りの極超音速旅客機としても使用されるスターシップ】
空中で爆発したスターシップの映像を見たら、「怖くてこんなものには乗れない」と思われるかもしれませんが、現在、約5日に1回のペースで宇宙に打ち上げられ、成功率99%以上(有人飛行では100%)を誇るスペースX社のファルコン9ロケットも開発段階では盛大に爆発を繰り返していました。
下手に運良く潜んでいる問題点をすり抜けて試験に成功するよりも、失敗を繰り返して問題点をすべてクリアにしていくほうがよいというスタンスなのでしょう。
スターシップ/スーパーヘビーはファルコン9と同じく全段再利用型の宇宙ロケットで、スターシップのバリエーションの一つに、1000人乗りの極超音速旅客機として使用するスターシップE2E(Earth to Earth)があります。
地球上の2点間を1時間以内で結び、運賃も東京~ニューヨークで約25万円と、現在のジェット旅客機のビジネスクラス並の価格になると想定しています。
夢物語のような話ですが、ファルコン9ロケットが垂直に立ったまま打ち上げ基地に戻ってくる場面を見たら、スペースX社ならやりかねない話のように思えます。