【昔のゲームパソコンで遊ぶびわ】
楓 「びわ、お前そのゲーム下手だなー。ちょっと貸してみな」
びわ 「やだ!カエちゃんに貸したらずっと離さないもん」
麦ちゃん「なんで私の部屋でゲームして、あげくにケンカし始めるのよー」
びわはハードオフでゲームカートリッジ付きの昔のゲームパソコンを見つけて、きな姉に「パソコンの勉強するから欲しい」とねだって買ってもらいました。
【SORD(ソード) M5】
1982年にソードが発売したパソコン「M5(エムファイブ)」です。
おもちゃメーカーのタカラ(現タカラトミー)は、このM5を「ゲームパソコンM5」として発売しました。
CPUはZ80(3.6MHz)、メモリ4KB、カラーグラフィック256×192pixel 16色で、メモリ容量こそ小さいものの、れっきとした8ビットパソコンでした。
特徴的なのは当時発売されていたカートリッジ式家庭用ゲーム機と同じように、プログラムカートリッジを差し込むスロットがあり、家庭用テレビに接続して表示することができました。
当時は入門用パソコンでも8万円以上した時代に49,800円の低価格で発売され、ゲームソフト用のカートリッジを差し込めばゲームができ、プログラム言語のBASICカートリッジを差し込めばプログラミングもでき、ゲーム機を子どもに買い与えるのには抵抗があった親御さんたちが「勉強になるなら」と、M5はヒット商品になりました。
【トイ(玩具)コンピュータの元祖】
その後、プログラムカートリッジでゲームほかソフトを供給するM5タイプの入門用パソコンがセガやバンダイからも発売されるようになりましたが、翌1983年に任天堂がファミリーコンピュータを、そしてアスキーとマイクロソフトが中心となって統一規格を作り、大手PC3社(NEC、シャープ、富士通)以外の電機メーカーが発売したMSXパソコンが登場すると、M5は急速にその販売台数を落としてしまいました。
【パソコンベンチャー企業[SORD]】
ソードという社名を聞いたことがない方も今では多くなってしまったかもしれません。
ソードは1970年という早い時期にパソコン時代を予見し、自社でハードウェアもソフトウェアも開発する精鋭集団が立ち上げたベンチャー企業でした。SORDの社名の由来はSOftとhaRDの合成語です。
オフィス用パソコンM200を1977年に発売した、パソコンメーカーの老舗でした。
特筆すべきはEXCELと同じような表計算ソフトを世界でも最も早い時期に自社開発し、1980年にPIPSという商品名で発売したことです。
当時はプログラムを組まずとも、ビジネスや技術計算で必須の表集計計算ができるということで「簡易言語」とも呼ばれていましたが、中身は現在のEXCELと同じものです。
ソードは現在のマイクロソフトやDELLに匹敵する企業に成長するポテンシャルを持った企業でした。
海外ではパソコン市場はベンチャー企業が立ち上げて育ててきましたが、日本はNEC,日立,富士通,シャープといった大手コンピュータ・電機メーカーがその市場を拡大していったという風土の違いがあり、ベンチャー企業だったソードはパソコン市場が大きくなるにつれ、新機種の開発にかかるコスト負担やライバルの大手企業による営業妨害などに悩まされ、1984年に東芝の傘下となり、1999年にその社名も消えてしまいました。
【名門SORDが復活】
2018年に東芝パソコンシステムと名称が変えられていたSORDが東芝を離れ、かつての名門SORDの社名が復活しました。
株式会社ソード……ソードHPへのリンクです
私がパソコンを使い始めた頃のソードの企業ロゴが復活しているのも何か嬉しいです(^-^)
今は自社開発のパソコンは製造販売していないようですが、かつての勢いのあるベンチャーだったソードの雰囲気がなんとなく感じられます。