ドラマ「チェルノブイリ」を見る | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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3匹のお姉ちゃん猫と3匹の弟分猫たちの日常と6匹の猫たちが登場する変な猫マンガ。
そして昔のパソコンあれこれ。

【チェルノブイリを見せられる2人】

みどりちゃん「え?アマゾンプライムでシン・エヴァンゲリオン見るんじゃなかったの?」

麦ちゃん  「何だか童子ちゃんがアメリカのドラマを見つけて、これ見ようよと言ってるの」

みどりちゃん「せっかく雰囲気を盛り上げようとみんなでコスプレで集まったのにー」

童子さん  「ごめんねー、でも私、このドラマも気になってたの」

みどりちゃん「まあいいけど、で、これ何てドラマなの?」

童子さん  「[チェルノブイリ]、再現ドキュメンタリーだけど、結構メンタルやられるかも…」

麦ちゃん  「夏だし、怖いもの見てもいいじゃない」

 

軽い気持ちで見始めた麦ちゃんとみどりちゃんでしたが、見終わった後、鉛でも呑み込んだような陰鬱とした気分になってしまいました(;^_^A

 

実は私が「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見るつもりでアマゾン・プライムビデオのサイトに行ったら、前から気になっていたアメリカHBOのドキュメンタリードラマ「チェルノブイリ」が目に入って、こちらを見てしまいました。

 

アメリカのケーブルテレビ放送局[HBO]では、「人類、月に立つ」などの名作ドキュメンタリードラマを制作・配信しています。

この「チェルノブイリ」は、35年前の1986年4月にソビエト連邦で起こった、史上最悪の原子力事故のチェルノブイリ原子力発電事故をドラマで再現したものです。

 

 

【信じられない大事故が起こった】

当時このチェルノブイリ原子力発電所の事故のニュースで見ていました。

すでに事故発生から数日が経過していて、ソ連はこの未曾有の原子力事故を世界に発表していなかったのですが、1つの原子炉が建屋ごとすべて吹き飛び、そこから飛散した大量の放射性物質がヨーロッパにまで到達し、これ以上隠すことはできないと、ゴルバチョフ書記長(当時)がこの大災害を公表しました。

私は原子力は専門外でしたが興味はあり、結構専門書などは読んでいたので、建屋が失われ原子炉内にあるべき減速材などが周囲に散乱している映像を見て、これは相当数の死傷者が出ているぞと、恐ろしく思ったことをいまだに覚えています。

 

 

【ヨーロッパの3分の1が失われかねなかった】

事故後数年が経ち、事故に至った原因や、被害の拡大をくい止めるためにとられた措置が詳細に公開されました。

これはゴルバチョフ以前のソ連では考えられなかったことで、ゴルバチョフ書記長のグラスノスチ(情報公開)政策によるものでした。

 

当時のソ連がこの大事故の初期対応を誤っていれば、赤熱した核燃料が地下水に触れ、核爆発級の大爆発を起こし、吹き上げられた大量の放射性物質がヨーロッパの3分の1を人が住めない土地にしてしまったと推測されています。

 

被害の拡散をくい止めようとした原発技師や、消火活動に当たった消防士や軍関係者、被災者の救護に当たった医師たちの必死の努力で最悪の事態はかろうじて避けることができました。

 

 

【想像力には限界がある】

私はその頃に発行されたチェルノブイリ原発事故の書籍なども読んでいました。

最前線にいた原発技師や消防士、軍人、医師が致死線量を超える放射線を浴びながらも懸命に災害をくい止めようとし、その後、凄惨な最期を迎えたことなども活字から知ることはできました。

 

ですが、活字から拾ったイメージでは所詮想像力の限界が立ちはだかります。

これは広島・長崎に落とされた原爆でも同じです。

 

3人の原子力技師が核燃料の水蒸気爆発を防ぐため、暗闇の地下のプールの水を抜く作業に向かうのですが、原子力のエキスパートであればそこに向かうことは確実に死ぬことはわかっていたはずです。

その作業を立案した原子物理学者、そして志願する者を募る事に苦悩する軍幹部、自分がやらなければ数万人以上の住民が死ぬという現実を前に自己犠牲をいとわない技術者。

 

これを再現とはいえ映像で見せられるとかなり精神的にきついものがあります。

このドラマはR15指定となっていますが、そのあたりのことを考慮しているのだと思います。

 

 

【巨大科学と生きることを余儀なくされる現代】

航空機の発達により新興感染症の拡散が速く大規模になり、新型コロナウイルス感染症はまたたく間に世界に広がりました。

そして全く新しい技術であるmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンによる感染症の押さえ込み。

 

いずれもここまで科学技術が進んでいなければ起こらなかったかもしれない事象です。

泥縄の様相を呈していますが、巨大科学がここまで日常生活に密着した時代になると、本当にその使われ方は正しいのか、場合によっては捨てるべきものもあるのではないか、知識だけではなく知恵が問われる時代になっているように感じます。

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