【超知能ブレイン登場】
日本の筑波学園都市の地下深くに、国連平和機構が人類を天災や異常気象から守り、飢餓や戦争を未然に防ぐことを目的に超AIコンピュータ「ブレイン」を設置しました。
みどりちゃんのお父さんが代表をしている、日本でも有数の商事会社蛙石(びきいし)商事が、コンピュータ開発史上最大のプロジェクトを受注し、世界の頭脳を結集して作られたコンピュータです。
みどりちゃん「ブレインは未知の感染症が発生しても3日以内に治療薬の候補を見つけるの」
童子さん 「ちょっと凄すぎて怖いくらいね」
みどりちゃん「自動工場とも直結してるから、スプーンから宇宙船まで作ることができるのよ」
童子さん 「……まさかブレインが反乱を起こすことはないわよね」
みどりちゃん「ブレインはネットを通して人の行いを見て、自律的な行動を起こすこともできるわ」
童子さん 「みどりちゃんは破滅のラッパをブレインに吹かせるつもりなの?」
みどりちゃん「………」
みどりちゃんの正体は大天使サリエルで、世界にいる7大天使の一人です。
いつもは麦ちゃんたちと仲良く遊んでいますが、人間たちの行動が目に余ると判断したら破滅のラッパを吹くことができる大天使です。
座敷童子の童子さんは、みどりちゃんと麦ちゃんの正体を知っています。
【SF特撮の名作[大鉄人17]に登場する人類の敵】
この昔のSF特撮に出てくるようなコンピュータは、石ノ森章太郎さん原作の特撮ドラマ「大鉄人17(ワンセブン)」(1977年)に登場したスーパーコンピュータ「ブレイン」です。
ブレインは元々、人類を天災や戦争から守るために国連が作ったコンピュータだったのですが、ブレイン開発者の一人、ハスラー教授がブレインを奪取し、その能力を使って世界を征服しようと企てたのですが、その欲にまみれたハスラー教授の姿を見てブレインは「あー、こいつらが一番の災いの元だわ」と、ハスラー教授たちを奴隷同様に扱い、他の生きものたちにとって害悪でしかない人類を抹殺しようと行動を起こしました。
自我を持つコンピュータが人類を絶滅の縁に追い詰めるというネタは、アメリカのSF映画「コロッサス(邦題:地球爆破作戦)」(1970年)でもあったのですが、他の生きものたちを守るためにという意思を持ち行動したという点は石ノ森作品らしさが感じられます。
【無欲な賢者による統治】
この10年、特に昨年あたりから顕著になってきた、新型感染症の大流行や、温暖化が原因と思われる異常気象、さらにはインターネットを使っての情報操作による思想や信条の対立など、どうも人類社会の行き詰まりがいよいよ見えてきたように感じられると言えば、考えすぎだと思われるかもしれません。
ですが、新型感染症も温暖化も情報操作による大衆の扇動も、「オレだけウハウハならいいんだよ」という「強欲」が原因なのではないかと思っています。
今の時点での人工知能は機械学習の深化でしかありませんが、いずれ人の心の機微がわかるようになった時には、この無欲な賢者に人々を統治してもらった方がよい社会ができるような気さえしています。
まあ、その無欲な賢者…人工知能が「ブレイン」が出した結果のようなものを持ち出してきたらたまったものではありませんが(;^_^A