【公共放送の科学番組に出演する童子さんとコユリさん】
公共放送の科学番組「サイエンス・ゼロワン」に出演した童子さんとコユリさんです。
童子さんは科学特待生として、初めて国際宇宙ステーション(ISS)に乗り込む高校生宇宙飛行士として。コユリさんは世界初の宇宙ホテルの支配人としての登場です。
童子さんは新世代の宇宙船の[クルー・ドラゴン](右手前)と、有翼型の宇宙船[ドリームチェイサー]の能力やそれぞれの違いを番組で説明しています。
【野口聡一宇宙飛行士が乗り込んだ、クルー・ドラゴン宇宙船】
今回、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが搭乗して無事にISSに着いたことで注目が集まっている、アメリカ、スペースX社の新型有人宇宙船[クルー・ドラゴン]です。
最大7人の乗員を乗せることができるのですが、今回の飛行はちょうどこのようなレイアウトで、野口宇宙飛行士を含めた4人がISSに向かいました。
【タッチ操作のコントロールパネル】
テレビのニュースでも話題になっていたのが、これまでの宇宙船のような、昔の旅客機以上に数多くのスイッチ類が並んだ操縦席ではなく、タッチパネル液晶が並んだコントロールパネルでした。
野口聡一宇宙飛行士が「これまでの黒電話からスマホに変わったくらいの変革だ」と言っていましたが、宇宙船の操作をタッチパネルで行うというのも新しい時代なのだなと思います。
【スペースシャトルの時代から退化したのか?】
クルー・ドラゴンやドリームチェイサーといった新世代宇宙船は、どれも2011年に退役したアメリカのスペースシャトルよりはるかに小さく、特にクルー・ドラゴン宇宙船はアポロの時代のカプセル型になり、時代を逆行したかのようなデザインになっています。
しかし、スペースシャトルは中型旅客機並の大きな機体を持ちながら、その大部分が貨物室であったため、人を宇宙に送るには、ドライブに10tダンプに乗って出かけるようなもので、非常に不経済なものでした。
貨物を宇宙に送るためだけでも、操縦士が乗り込む必要があり、無人の衛星打上げロケットよりはるかに高い安全性を要求されたため、やはり経済性の悪いものでした。
そのため人を宇宙に送るのには小型で安全性を高めた有人宇宙船を使い、貨物は安全性はやや低くしても経済性が高い大型貨物ロケットを使うという、軽自動車と大型ダンプカーと同じような使い分けがトレンドとなっていきました。
最初のイラストのドリームチェイサーは、スペースシャトルをそのまま小型にしたようなデザインです。
有翼型宇宙船は翼という宇宙飛行には本質的には必要の無い余計なものがついていますが、有翼機には大気圏内に再突入してから、上の図のようにある程度自由に進路を変えることができるため、発射地点の滑走路に帰ってきたり、当初予定していない空港に緊急着陸することもできます。
これは一直線に落ちてくるカプセル型宇宙船にはないメリットです。
【もう一機の新世代宇宙船】
まだ製作途中で今回のイラストには間に合わなかったのですが、ボーイング社のスター・ライナー宇宙船も来年には人を乗せて宇宙に向かいます。
まさにアポロ宇宙船の時代のデザインで、あまり新規性を感じられないのですが、こちらも最新の技術が導入された新世代宇宙船です。
野口聡一宇宙飛行士が無事にISSに着いたということで、今回は宇宙ネタでした。