今日は猫たちの写真はありません。
【ゲーム&ウォッチ?】
麦ちゃん 「びわ、せっかくやまはちゃんとデートなのに。ゲームなんかいつでもできるでしょ」
やまはちゃん「これ、童子ちゃんが作ったゲームなの。私も遊んでみたけど面白いわよ」
麦ちゃん 「それにしてもすごく小さいゲーム機ね」
びわ 「さすがに小さすぎてちょっと遊びにくいよ」
【クレジットカード大のコンピュータ】
びわが持っているのは、1995年にIBMが発売したクレジットカードサイズのコンピュータ「ChipCard TC-100」(定価19,800円)です。
白黒液晶画面(72×24pixel)とキーボードがついたれっきとした8ビットパソコンです。
標準では電話帳、簡易スケジューラ、メモ、電卓の機能しか内蔵されておらず、これだけなら電話帳機能付きのカード電卓と変わりはありませんが、当時のノートPCにはメモリカードや周辺機器を接続するためのPCカードスロットが標準で備えられていて、このChipCardをノートPCのカードスロットに差し込むことで、PCから電話帳や住所録のデータを転送したり、プログラムを転送してChipCardの機能を拡張したりゲームで遊ぶことができました。
さすがにこのサイズのキーボードでは文字を入力するのは大変で、どちらかと言えばPCから転送したデータを見るための電子ビューア的な使われ方が主だったと思います。
このChipCardが登場したときに、コンピュータ関連書籍の出版社、アスキーが、IBMと共同で、ChipCardの活用アイディアを募集していて、それに応募して誌面に掲載され、景品としてこのChipCardをもらいました。
本当に小さいながらもれっきとしたコンピュータで、面白いものだったのですが、なにせキーボードが小さすぎるのと、感圧式の固いキーボードだったため、文字を打つと指が痛くなるという致命的な欠点がありました。
【登場が早すぎたカードPC】
当時、政府では現在の住民基本台帳につながる国民総背番号制度が検討されていて、現在の住基カードにあたる電子カードを国民全員に配布する計画がありました。
NEC、富士通、日立、IBMといったコンピュータメーカーや、シャープ、ソニーといった携帯情報端末メーカーも参画していましたが、国民全員に配布する電子カードをシャープのザウルスのような携帯情報端末あるいはこのIBMのChipCardのようなカード型端末にするという案が出ていて、当時としては非常に壮大で野心的な計画になっていました。
国民総背番号制度への反対や、かかる費用の大きさから、実現は大きく遅れ、その内容も当初の計画よりも大幅に小さなものになり、現在のマイナンバー制度になりました。
もし、このChipCardが進化したものがマイナンバーカードとして現在使われていたら、おそらくは個人情報のすべてが一枚のカードに収められ、その情報はカード表面のカラーディスプレイでいつでも確認することができるものになっていたことでしょう。
そのようなことになっていれば、日本は現在もIT最先端国家になっていたことだと思います…が、やはり個人情報のすべてが一枚のカードに集約され、国がそれをすべて掌握するということはやはり怖いものを感じてしまいますね。