【やっこちゃんの部屋】
セラヴィー 「いやあ、すごいもんですね、やっこちゃんの部屋は。まるで研究所だ」
やっこちゃん「新しい魔法薬を作るのも、今はITを活用しなきゃね」
チャチャ 「やっこちゃんがいつも持ってるのは魔導書かと思ったらパソコンだったのね」
しいねちゃん「やっこちゃん、すごいです。ノーベル化学賞を取ってくださいね」
マリン 「やっこちゃん、お願い。よく効く惚れ薬を作ってよ!!」
【やっこちゃんの机】
やっこちゃんの机の上にはビーカーやフラスコ、試験管、ブンゼン灯(バーナー)が並んでいます。
棚には劇薬や毒薬もたくさん並んでいるのですが、やっこちゃんは毒物劇物取扱責任者資格を取得しているので、誰からもとがめられることはありません。
【現代の魔導書】
やっこちゃんがいつも持っていたのは魔導書ではなく、ブックカバーをつけたミニノートPCでした。
化学反応シミュレータのCOCO/Chemsep(ココ・ケミセップ)と化学式作図ツールのChemiSketch(ケミスケッチ)がインストールされていて、魔法薬を作るのに活用しています。
COCO/ChemisepもChemiSketchも無料で使用することができるフリーウェアですが、かつては化学反応シミュレータなどは大型コンピュータやエンジニアリングワークステーションのような高性能コンピュータ上だけでしか動かない高価な専用ソフトだったのですが、今は身近にあるパソコンがかつてのスーパーコンピュータをはるかに上回る性能になり、大規模なソフトを開発することができる開発環境がフリーウェアとして提供されるようになり、20年前には考えられなかったような研究開発が個人や中小零細企業でもできるようになりました。
【貧しくても勉強はできる。ただしやる気があれば】
7、8年前頃に世界的なブームを巻き起こしたネットブックと呼ばれる安価なノートPCが登場しました。
ネットブック ASUS EeePC 4G-X
7インチの小型画面に512MBメモリ、外部記憶は4GBフラッシュメモリと、当時のノートPCとしては貧弱なもので、WindowXPがかろうじて使えるスペックでしたが、ネットサーフィンや軽量なソフトであれば問題なく使うことができました。
何よりも44,800円(税抜)と安価だったことで、日本ではモバイル用PCやおもちゃ的な用途に人気があったPCでした。
ネットブックは発展途上国や中進国の低所得者層の子どもたちにもインターネットを使い、学習に役立ててもらおうという、高い理念を持っていました。
やがてその子どもたちが大きくなり、南アジアやアフリカから優秀なプログラマーや科学者、エンジニアが現れるようになりました。
優れたフリーウェアの作者の中には、これら後進国や中進国の生まれの方も見かけるようになりました。
そういった意味では日本は一応ネット大国で、やる気になれば安価なPCでフリーの学習ソフトを使い、仮に貧しくても勉強をする機会が与えられているのですが…。
うーん…日本ではネットというとみんなスマホゲームやLINEばっかやってるんですよね…。