玉虫型飛行器を見に行く | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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私は飛行機とか宇宙ロケットとかが好きなので、このブログでもしょっちゅうネタにしていますが、今回は飛行機ネタです。
 
【二宮忠八氏の玉虫型飛行器】
エーカオで行こう!! / (C)楽道和門
 
愛媛県生まれの航空機研究家・実業家の二宮忠八氏が、ライト兄弟のフライヤー号での初飛行(1903年)よりも10年も早く、動力飛行の原理を考案して設計した[玉虫型飛行器]と、歴代の国産航空機の展示会が催されたので、さっそく出かけたツインテールみどりちゃん座敷童子3人です。
 
展示会のプロデュースを行った、企画・広告会社の株式会社エーカオの六車社長と楽道さんが展示会に来ていて、3人に玉虫型飛行器の説明をしたり、写真を撮ってあげたりしています。
 
 
【玉虫型飛行器の構造】
①…主翼
②…推進用プロペラ
③…昇降舵
④…ガソリンエンジン
⑤…離着陸用車輪
⑥…方向舵
⑦…操縦席
⑧…構造体支持用ステー
 
日テレの「知ってるつもり!?」やNHK「その時、歴史は動いた」でも放送されたのでご存じの方も多いと思いますが、二宮忠八氏は歴史が彼を応援してくれていれば、人類初の有人動力飛行機の発明者となった人でした。
 
上の図の通り、現代の飛行機に必要とされる要素が、二宮忠八氏の玉虫型飛行器にほぼすべて盛り込まれていました。
 
現代の飛行機は、フラップ(高揚力装置…主翼の後ろにさらに翼を伸ばして面積を広げ低速時の揚力を稼ぐ装置)やエルロン(補助翼…旋回を容易にするため機体を左右に傾けるための主翼両端に着いた補助翼)などが追加されていて、さらに長距離を飛行するための航法装置がついています。
 
玉虫と言うよりも鳥に近い形なのですが、4枚の翼がついている構造は、二宮忠八氏が昆虫の玉虫から着想を得たことからこの名前がついていて、海外でもjewel beetle type flyerとこの玉虫型飛行器を紹介しています。
 
 
【ここまで完成度が高かったのになぜ実現できなかったのか】
※玉虫型飛行器の3Dモデルを3D Warehouseにアップしました。
ダウンロードはこちら←私のページへのリンクです。
 
実際に空を飛ぶことができるゴム動力のスケールモデルまで作った二宮氏でしたが、さすがに人が乗ることができる実機となると、当時は軽量で大出力が得られるガソリンエンジンがなく、その開発に多額の費用がかかることがわかっていました。
 
そこで陸軍に従事していた二宮氏は上官の長岡外史(がいし)大佐と大島義昌旅団長に、飛行機の有用性とその実現の可能性を訴えたのですが、両氏からはにべもなく却下されてしまいました。
 
「もしこの両氏に先見の明があったら、日本人が人類初の飛行機の発明者になったのに…」
 
と思われる方も多いと思いますし、私もそう思いました。
ですが、当時はリリエンタールがようやく無動力のグライダーでの飛行実験を始めたばかりで、そのことも人々には周知されることはなく、空を飛ぶ機械は夢のまた夢の話でした。
 
真田さん「光の速度を超えるワープエンジンの設計図を書いたので、お金だしてください!!」
沖田艦長「はあ?チミは何をいってるんだね。滅多なことを口にするんじゃないよ」
真田さん「このワープエンジンができれば、デスラー総統青い肌の異星人が攻めてきても地球を守れるんです!!」
沖田艦長「わかったわかった、ヤマトヤマトのプラモを買ってあげるから家に帰りなさい、な」
 
と、言うくらい荒唐無稽な話に聞こえたのも当然のことだと思います。
 
 
【ですが当時の軍人も偉かったのです】
失意の二宮氏は軍を辞め、飛行機の開発資金を得るために事業を興し、その事業が軌道に乗り、いよいよ飛行機を作ろうとした矢先にアメリカのライト兄弟が、フライヤー号で人類初の有人動力飛行を成功させたことを知ることになります。
 
その後、二宮氏は製作途中だった玉虫型飛行器を自分の手で壊し、それ以来、飛行機研究のことは忘れ、黙々と事業に打ち込むことになりました。
 
そしてあの時、二宮氏の上申を黙殺した長岡氏と大島氏が二宮氏の元にやってきました。
長岡氏も大島氏もこの時は陸軍の大幹部となっていたのですが、市井の人となった二宮氏に心から自分の不明を詫びたそうです。
 
長岡外史氏はその後生涯にわたり、日本の航空機産業の発展に尽力し、事あるごとに二宮忠八の偉業を国内や世界に発信していき、二宮氏が晩年に航空機事故で亡くなった世界中の犠牲者の魂を慰めることを目的とした[飛行神社]を造営するにあたっても全面的に協力し、一生を掛けて二宮氏を支えていきました。
 
ちなみに長岡外史氏は新潟とも縁があり、オーストリアのレルヒ少佐からスキーを習い、軍事教練のみならずスポーツやレジャーとしてのスキーの普及にも努めてくれた方です。
 
 
飛行機は今や物流の要となっていて、また海外との距離を大幅に縮め、世界の人々の交流を活発にさせています。
戦争に使われ多くの人を殺傷してきたのも飛行機ですが、今やIT技術とともに世界の垣根を取り払う重要な役割を果たしているのも飛行機です。
その画期的な乗り物を日本人が初めて作ろうとしていたというのは、結構すごいことだと思いませんか(^-^)b
 
ロケットの事も書いたら長くなりますよ(^_^;)

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