【囲炉裏端の3人と
楓】
「二人とも板の間で寒くない?」
「全然。
楓も気持ちよくて眠っちゃったわ」
「雪が降ると童子ちゃんの家の囲炉裏が恋しくなるのよねー」
三連休ということで、童子さんの家の妙國寺に泊まりがけで遊びに来た
麦ちゃんと
みどりちゃんと、
麦ちゃんの双子のきょうだいの
楓です。
楓だけは猫の姿のままで妙國寺にやってきました。
【古いラジオと置き時計のある囲炉裏の間】
「今日は童子ちゃんのお父さんはいないの?」
「檀家さんの家にお呼ばれして出かけてるわ。今ごろだいぶ呑んでるんじゃないかな」
「童子ちゃんのお父さんの話は楽しいから聞きたかったなー」
童子さんの正体は、この妙國寺がある猫山市の小さな山「猫山」に140年前から住んでいる座敷童子で、どうしても人間の通う学校に行きたいと言い始めた童子さんのために、猫山の主の400歳になる化けダヌキが、無人寺となっていた妙國寺の住職になって、二人で妙國寺に住むようになりました。
【上から見た囲炉裏の間】
400年も生きていただけあって、住職の説法は面白くためになり、童子さんのお父さんは今では町の人気者になっていますが、呑みすぎてハメをはずさないか童子さんはいつもヒヤヒヤしています。
仏教と宇宙論には意外と共通項が多く、ブルーバックスなどの科学書で理論物理学のうわっつらを舐めてきた私は、以前から仏教に造詣のある妻が語る話に「それって量子論の話じゃん」と不思議に思うことがたびたびありました。
今でこそ仏教と宇宙論の共通性については割とポピュラーな話題になっていますが、童子さんは住職の説法を聞いているうちに宇宙に興味を持ち、猫山総合高校の天文部の部長をしています。
カエちゃんスペシャル
生後3週の楓と
麦ちゃん(2011年8月11日)
生後3週の麦ちゃん(上)と
楓(下)です。
生まれてすぐに捨てられていた3匹のきょうだい猫だったのですが、その中でも楓は一番小さくてカゼをひいていて一時は危なかったのですが、妻がつきっきりで看病していたおかげでこの頃には元気になっていました。
1歳頃の楓
この頃の楓は突然部屋の中を走り出す「バカダッシュ」がマイブームでした。
バカダッシュで勢いをつけてバカ三角飛びで部屋中を飛び回っていました。
1歳頃の麦ちゃん
麦ちゃんは女の子だったので、オスの楓とはこの頃までにはだいぶ体格の違いが出てきました。
楓と
麦ちゃん
模様は違っていても、実のきょうだいだけあってよく似ています。
麦ちゃんが死んで5年経つ今も、時々楓は鏡に写る自分の姿をじーっとながめています。
鏡の中に大好きだった麦ちゃんがいる、と思っているのかもしれません。
今日は佐渡でも初雪が降りました。
さすがに積もることはありませんでしたが、気温もぐっと下がってみんなコタツからでてきません。