今夜の猫たちです。
【猫山市自然科学館のイベント「宇宙開発の歴史展」】
猫山市自然科学館でプラネタリウム解説員として活躍している童子さんに連れられて、
麦ちゃんと
みどりちゃんは科学館にやってきました。
科学館の建物の上では、人類を初めて月に送ったアポロ11号を打ち上げたアメリカのサターンVロケットのスケールモデルが空を飛んでいるような形で飾られています。
「本物のロケットがあるわよー」
「なんかミサイルみたいね」
「ドイツで作られた世界初のミサイル[V2号]の前身のA-5型ロケットよ」
本物のA-5型ロケットが展示されていて、エンジンや内部の構造を見ることができるようになっています。有名なV2号は全長でこのA-5型の2倍の大きさがあります。
【昨日はJ-アラートに驚かされました】
昨日の朝は、北朝鮮からミサイルが飛来していると、携帯とタブレットからJ-アラートの警告音が鳴りました。
幸いミサイルは日本の上空を通過して太平洋に落下したということですが、さすがに少し驚きました。
【急速な発達を遂げた宇宙ロケット】
猫マンガに登場する麦ちゃんは身長154㎝です
民間宇宙船のスペースシップ2との大きさの比較です
スペースシップ2の前にポツンと見える白い点が麦ちゃんです。
現在の宇宙ロケットの原型は、1942年にナチスドイツによって作られたV2号ミサイルです。
今の宇宙ロケットはさすがにV2号よりもはるかに大きく洗練されたものになっていますが、エンジンや制御システムは75年前に作られたV2号とそれほど変わっていません。
それほどまでにV2号は洗練されたロケットであったということです。
V2号を作ったのは天才ドイツ人技術者のフォン・ブラウン博士。
月旅行をいつか実現すると研究を続けていました。
ほぼ同時期に、アメリカでは天才科学者のゴダード博士が同じく月ロケットを作るべく研究を続けていて、周りからは嘲笑されながらも世界初の姿勢制御機構を持つ液体燃料ロケットをフォン・ブラウンよりも早く初飛行させていました。
しかし「月旅行なんて夢物語だ、狂人の言うことに耳を貸してはいけない」と大手マスコミからも笑いものにされ、その研究にはスポンサーも何もつかず、貧しい中でその研究を続けていました。
一方、フォン・ブラウン博士は「月に行くためなら悪魔に魂を売ってもいい」と、ナチス・ドイツのヒトラー総統にロケットを武器とすべきと進言し、莫大な研究開発費と優秀なスタッフを得て、一気に大型ロケットを現実のものにしました。
世界初のミサイルV-2号はイギリスのロンドンに次々と打ち込まれ、気をよくしたヒトラーは、さらに大型のミサイルを作りアメリカを攻撃しようと考えました。
実現はしなかったのですが、A-10と呼ばれる新型ロケットの上にV-2号を乗せた2段式ミサイルで、弾頭には当時ドイツで開発が進められていた原子爆弾を乗せてアメリカを攻撃するというものでした。
幸い、原子爆弾の研究では世界で最前線を行くと言われていたドイツの物理学者ハイゼンベルグ博士は「ヒトラーが原爆を手にしたら世界は終わりだ」と思い、原爆の研究を進めているふりをして、その実現を遅らせているうちにドイツは敗戦を迎えました。
精密機械であるV-2号を大量生産するために、ナチス・ドイツの秘密工場の下で強制労働に就かされていた連合国軍捕虜や強制収容所にいた人たち3万人が過労や病気で暗い洞窟の中にある秘密工場で、家族や愛する人に看取られることもなく死んでいきました。
一人の人間の夢…フォン・ブラウン博士はのちにアメリカに亡命し、アポロ計画のリーダーとしてその夢を実現するのですが、その夢ともう一人の人間、アドルフ・ヒトラーの野望の下で多くの人命が奪われたのは事実です。
華々しい宇宙開発の陰には、こういった歴史もあるのです。
「と、いう話でした」
「うーむー…なんか嫌な気分になっちゃうわねー」
「国力に見合うとも思えないほどミサイルを作ってるあの国でもこんなことがあるのかしら」
きなこ
「やはり平和が一番よ。私も
波動砲を撃つのをちょっと自粛するわ」
銀ちゃん
「(飛び道具を使わなくても、直接武力行使するくせに…)」
昨日はきなこと
銀ちゃんが激しく取っ組み合いをしていました。
だいたいケンカを売るのはきなこなのですが、本当に強いのはおっとりとした
銀ちゃんのほうです。
楓
「ぼくもとばっちりを受けたなり」
ケンカに負けたきな姉は、手近にいた
楓に思いっきり八つ当たりしていました(;^_^A
ぐら
ぐらはその時どこかに隠れていたので火の粉をかぶらずにすみました。
びわ
ですが、びわ坊はウガウガと怒っている
きな姉にちょっかいを出すので火に油状態でした(>_<)